腐敗を防ぐためには、温度、pH、水分活性を意識して保存することが大事

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食品の腐敗は温度、pH、水分活性が原因

食べ物は基本的に消費期限があり、そのまま放置すると腐ってしまいます。皆さんも経験あるかと思いますが、給食のパンをロッカーにいれっぱなしにして後日発掘されて、すごいことになっていたということを小学生の頃誰かしらやっていたかと思います(笑)今回は食品の腐敗について見ていきたいと思います。

 

 

腐敗とは

まず物質が変わることを変質と言いますが、変質は以下のように分けられます。

 

  • 腐敗;タンパク質
  • 変敗;脂質
  • 発酵;糖質

 

腐敗は主にタンパク質が微生物の増殖により変質を起こすことを言います。例が若干あれですが、腐敗臭がして部屋を見てみると・・・・・という事件がたまにありますよね。だからタンパク質は腐敗なんです。

 

 

腐敗の原因

  • 温度;25〜40℃
  • pH;5.6〜9.0(大部分の腐敗細菌はpH5.5以下だと発育が阻害される)
  • 水分活性が高い

 

新しく水分活性という言葉が出てきたので確認します。

 

食品の水分には、大きく2種類あります。

 

  • 結合水;ビタミンやミネラルとくっついていて微生物が使えない水分
  • 自由水;微生物が使える水分

 

この食品中の自由水の割合を水分活性(Aw;Water Activity)と呼びます。

 

例えば以下のイメージとなります。食品中の水分を100として、自由水が60だとすると、水分活性は60/100=0.6となります。一般的に細菌が発育可能な水分活性の下限は0.9、カビは0.8と言われています。このことからもわかるようにカビの方が少ない水分活性で増えることができます。

 

 

腐敗反応

腐敗はタンパク質であるため、主にアミノ酸が変化していきます。大きく5つに分けられます。

 

  • アミノ酸の脱炭酸反応
  • アミノ酸の脱アミノ反応
  • トリプトファンの分解
  • システインの分解
  • トリメチルアミンオキシドの還元

 

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アミノ酸の脱炭酸反応

アミノ酸から二酸化炭素が抜けて、腐敗アミンとなります。以下のようなものがあります。

 

 

  • ヒスチジン→ヒスタミン
  • アルギニン→アグマチン
  • リジン→カダベリン
  • チロシン→チラミン
  • トリプトファン→トリプタミン

 

アミノ酸の脱アミノ反応

アミノ酸からアミノ基が抜けてアンモニアができます。

 

トリプトファンの分解

トリプトファンからスカトール、さらにインドールと分解されます。いわゆるう〇この匂いですね

 

システインの分解

システインが分解され、メルカプタンや硫化水素ができます。

 

トリメチルアミンオキシドの還元

トリメチルアミンオキシドはいわゆる魚臭さの成分です。これの酸素がとれて還元されることで腐敗臭がします。

 

腐敗すると色や臭い、味などの変化が起こりますが、それ以外にもヒスタミンの測定、トリメチルアミンの測定、生菌数の測定などの識別方法があります。

 

食品の保存方法

保存料や殺菌料を添加する方法もありますが、先ほどの腐敗の原因に対して対策をすることで保存ができます。

 

  • 温度;冷凍、冷蔵して静菌。もしくは過熱して殺菌。
  • pH;酢漬けすることでpHを下げて静菌。
  • 水分活性;乾燥や塩漬け、糖漬けすることで水分活性を下げて静菌。

 

先ほどの水分活性の図を表すと以下のイメージになります。

 

 

まとめ

  • 腐敗はタンパク質が微生物の増殖により変質を起こすことを言う。
  • 腐敗を防ぐためには、温度、pH、水分活性を意識して保存することが大事。

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