キャピラリー電気泳動法とは

キャピラリー電気泳動法とは

キャピラリー電気泳動法は、キャピラリーを用いることで電気二重層がつくられ、陰極側に強い流れが起こります。キャピラリーゾーン電気泳動法、ミセル動電クロマトグラフィーなどの種類があります。

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キャピラリー電気泳動法とは

前回のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)とはではSDS-PAGEについて見ました。今回はキャピラリー電気泳動法について見ていきたいと思います。

 

 

キャピラリー電気泳動法とは

キャピラリー電気泳動法とは、フューズドシリカで作られたキャピラリーと呼ばれる細い管を使って行う電気泳動法です。フューズドシリカのキャピラリーは緩衝液がpH4以上の場合フューズドシリカのシラノール基が解離して表面が負に帯電します。

 

 

表面が負に帯電するので、電解質溶液中のプラスのイオンが結合して電気二重層が作られます。この電気二重層の状態で電圧をかけると、プラスのイオンが陰極側に引き寄せられるので強い流れが生じます。

 

 

キャピラリー電気泳動法はキャピラリーを用いることで以下のようなメリットがあります。

 

  • 電気泳動の時間短縮;キャピラリーは体積当たりの表面積が大きく、電圧により発生するジュール熱の拡散が良いので、電気泳動の時間を短くすることができる。
  • キャピラリーでの検出;キャピラリー自体を検出セルとすることで、検出器を用いて検出ができる。
  • 分離能が高い;キャピラリーの液体の流れが均一であることから拡散が抑えられ、検出されるピークも鋭くなる

 

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キャピラリー電気泳動法の種類

キャピラリー電気泳動法の種類には以下のようなものがあります。

 

  • キャピラリーゾーン電気泳動法
  • ミセル動電クロマトグラフィー

 

キャピラリーゾーン電気泳動法

キャピラリーゾーン電気泳動法は、キャピラリー内に緩衝液を満たして、イオン性物質を分離する方法です。先ほどの原理からもわかるようにイオン性を利用して分離するので、中性物質同士の分離は難しいです。

 

ミセル動電クロマトグラフィー

ミセル動電クロマトグラフィーは緩衝液にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの界面活性剤を添加して電気泳動を行う方法です。陰イオン型界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを使うことによってミセルは負電荷を持つため、陽極側へ行こうとしますが、先ほどのイオンの流れの方が強いので陰極側にゆっくりと移動していきます。

 

 

先ほどのキャピラリーゾーン電気泳動法では中性物質の分離は困難でしたが、ミセル動電クロマトグラフィーは中性物質をミセル化することで分離が可能となります。

 

まとめ

  • キャピラリー電気泳動法は、キャピラリーを用いることで電気二重層がつくられ、陰極側に強い流れが起こる。
  • キャピラリー電気泳動法には、キャピラリーゾーン電気泳動法、ミセル動電クロマトグラフィーなどの種類がある。

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