直接滴定と逆滴定、対応量の計算

直接滴定と逆滴定、対応量の計算

直接滴定と逆滴定によって、対応量を計算します。対応量とは用いた標準液1mLに対応する資料の量(mg)のことで、おちついて計算できるようにしましょう。

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直接滴定と逆滴定、対応量の計算

前回の容量分析法、標定と滴定では、滴定の種類などを見ました。今回は滴定の対応量の計算について見ていきたいと思います。

 

 

対応量

実際の滴定方法は以下の2つがあります。

 

  • 直接滴定;対象となる資料に標準液の量を直接調べることにより試料の定量を行う
  • 逆滴定;対象となる資料に対して過剰になるように一定量の標準液を加えて反応を完結させた後、その過剰量の標準液を第二の標準液で滴定することで、初めの反応に要した標準液の量を求める

 

 

直接滴定の特徴のキーワードとしては、標準液が1種類であることと、○○mol/L△△で滴定となります。逆滴定の特徴のキーワードとしては、標準液が2種類であることと、○○mol/L△△を□□mL正確に加えるとなります。

 

これらの滴定から対応量というものを求めます。対応量とは用いた標準液1mLに対応する資料の量(mg)を言います。

 

では例題を見てみましょう。

 

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例題

日本薬局方ヨウ化カリウムを乾燥したもの約0.5gを精密に量り、ヨウ素瓶に入れ、水10mLに溶かし、塩酸35mL及びクロロホルム5mLを加え、激しく振り混ぜながら0.05mol/Lヨウ素酸カリウム液でクロロホルム層の赤紫色が消えるまで滴定する。ただし、滴定の終点はクロロホルム層が脱色した後、5分以内に再び赤紫色が現れない時とする。この時の対応量はいくつか?ただしこの滴定の反応式は次の通りとして、KI=166とする。

 

2KI+KIO3+6HCl=3ICl+3KCl+3H2O

 

対応量は用いた標準液1mLに対応する資料の量(mg)でした。問題文が長くて難しく見えますが、要するにmolをあわせるだけです。求めるヨウ化カリウムの量をx(mg)とすると、

 

ヨウ化カリウム

x(mg)であるため、0.001x(g)となります。molを出すので、これを166で割った0.001x/166がヨウ化カリウムのmolです。

 

ヨウ素酸カリウム

1mLであるため、0.001(L)となります。同じくmolを出すので、0.05mol/L×0.001(L)がヨウ素酸カリウムのmolです。

 

molをあわせる

反応式より、ヨウ化カリウム:ヨウ素酸カリウム=2:1です。これに先ほどのmolをあてはめます。

 

2:1=0.001x/166:0.05×0.001

 

x=0.05×2×166=16.6mg。これが答えです。

 

まとめ

  • 直接滴定のキーワードとしては、標準液が1種類であることと、○○mol/L△△で滴定。
  • 逆滴定のキーワードとしては、標準液が2種類であることと、○○mol/L△△を□□mL正確に加える
  • 対応量は用いた標準液1mLに対応する資料の量(mg)

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