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分析方法の1つには、抗原抗体反応を利用したイムノアッセイがあります。今回はイムノアッセイについて見ていきたいと思います。
イムノアッセイについて学ぶ前に、まず抗原や抗体の基本について確認します。
抗原を与えられると体内で作られ、抗原と特異的にくっつくタンパク質を抗体と言います。イムノアッセイには一般的にはIgG抗体が使われます
抗原には抗体に認識される場所があり、そこをエピトープ(抗原決定基)と言います。エピトープ(抗原決定基)はアミノ酸からなり、1種類の抗原決定基に対して、1種類の抗体しか作られず、抗原となる物質はいくつもの抗原決定基を持ち、それぞれに対して異なった抗体が作られます。
抗体を作らせる能力がない抗原をハプテン(不完全抗体)と言います。ハプテンは、キャリアータンパク質とくっつくことで完全抗原になり、抗体を作ることができるようになります。
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1つのB細胞から作られる均一で特定のエピトープのみを認識する抗体をモノクローナル抗体と言います。モノクローナル抗体に対して、複数のB細胞から作られ複数のエピトープを認識する抗体をポリクローナル抗体と言います。
抗原抗体反応はエピトープと抗体が、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合、疎水結合などの非共有結合によってくっつくことで起こる反応です。冒頭でもお話ししたようにイムノアッセイは抗原抗体反応を利用した分析方法になります。
イムノアッセイは試料に標識した抗原又は抗体を加えて、測定対象と抗原抗体反応を起こさせます。その後必要であれば、抗原抗体複合体(結合形;B)と結合しなかった抗原又は抗体(遊離型;F)とを分離するB/F分離を行って、標識物質の活性を測定します。
標識を行うイムノアッセイの種類には以下のようなものがあります。
抗原又は抗体を放射性同位元素(3H、14C、125I、131Iなど)で標識して、抗原抗体反応を行います。そしてB/F分離を行い、抗原抗体反応物の放射能を測定することで、抗原や抗体の量を測定します。
先ほどのラジオイムノアッセイは放射性同位元素を用いましたが、エンザイムイムノアッセイはペルオキシダーゼやβ-ガラクトシダーゼなどの酵素を用いて測定する方法です。
エンザイムイムノアッセイのうち、抗体や抗原などを固相にコートして、抗原抗体反応を起こすものをELISA法と言います。
蛍光イムノアッセイは蛍光物質を用いて蛍光強度を測定するイムノアッセイです。
発光イムノアッセイは化学発光物質や生物発光物質を用いて測定するイムノアッセイです。