![弱酸のpHの計算](../img/header.jpg)
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前回の酸と塩基の基本では酸の強さについて見ました。今回はpHの計算について見ていきたいと思います。
酸性の度合いについては水素イオン濃度[H+]が関わりました。しかし、[H+]の数字は0.1mol/Lや0.01mol/Lなどとなり直感的に評価がしにくいです。そこで評価しやすくするために[H+]の逆数の常用対数をとったpHが使われます。すなわち
となります。ちなみに割愛しますが、pOH=−log[OH−]で表されます。
pHの計算は、前回お話ししたように強酸であれば、全て解離して[H+]とみなせるためいいですが、弱酸ではそうはいきません。そのため強酸か弱酸であるかでわけて考える必要があります。
例えばHClの場合、HCl→H++Cl−(相変わらず見にくくてすいません)となり、HClが0.1mol/Lであれば、[H+]も0.1mol/L=10^−1となります。そのため、pH=−log10^−1=1となります。
例えばCH3COOHの場合、CH3COOH→CH3COO−+H+と表されますが、全てH+に解離はしませんでした。前回と同様に、弱酸をHAと置くと酸解離定数Kaは以下のように表されました。
ここで、[H+]と[A-]は同じ量解離するとみなせるため、[A-]=[H+]となります。つまり先ほどの式は
[H+]^2=Ka・[HA]
となります。弱酸においては、解離するのがほんのわずかであるため、[HA]の濃度をCとしたときに解離後の[HA]の濃度もCとみなすことができます。よって
[H+]=√(Ka・C)
とすることができます。
割愛はしますが、弱塩基も同様に[OH-]=√(Kb・C)と導くことができます。
では、例題を見てみましょう。
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0.5mol/L酢酸水溶液の水素イオン濃度[H+]は、およそどれくらいになるか?ただし、酢酸の酸解離定数Kaは1.8×10^-5とする。
酢酸は弱酸であるため、[H+]=√(Ka・C)を使うことになります。
Ka=1.8×10^-5、C=0.5を上記の式に代入して、
[H+]=√9×10^-6
[H+]=3×10^-3。これが答えです。