容量分析法、標定と滴定

容量分析法、標定と滴定

容量分析法には中和滴定、非水滴定、キレート滴定、沈殿滴定、酸化還元滴定などがあり標準液、標準試薬、指示薬が決まっています。

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容量分析法、標定と滴定

前回の真度と精度の違いの最後で重量分析法について見ました。今回は容量分析法について見ていきたいと思います。

 

 

容量分析法

容量分析法は分析対象物質の溶液に標準液を添加して、反応が終わるまでに要した標準液の体積を測定して定量する方法です。容量分析法には以下の2つがあります。

 

  • 標定;標準試薬を用いて、調整した容量分析標準液の濃度を確かめる
  • 滴定;標定によりファクター(規定された濃度からのずれの度合いのことで0.970〜1.030の範囲)の決まった容量分析用標準液を用いて医薬品の定量を行う

 

 

要するに標定では標準液の濃度を調べて、滴定では医薬品の濃度を調べるということです。

 

標定方法にはさらに以下の方法に分けられます。

 

  • 直接法;固体の標準試薬を用いて行う標定で、標準試薬の規定量を精密に量り既定の溶媒に溶かし、これを調製した液体の標準液で滴定しファクターを求める。
  • 間接法;ファクターがわかっている規定の液体の標準液を用いて行う標定で、それを用いて液体の標準試薬に滴定してファクターを求める

 

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容量分析法の滴定の種類と用いられる標準液、標準試薬、指示薬

容量分析法の滴定の種類には反応によって以下の種類があります。

 

 

これらの滴定にはいくつか種類がありますが、今回はその代表例を見ていきます。

 

これらの滴定では、対応する標準液、標準試薬、指示薬も決まっています。指示薬とは反応の終わりの近くで色が急激に変化する性質を利用して滴定の終点を検出する薬を言います。また電位差滴定法とは、電極間の電位差の測定を滴定終点指示に用いる方法です。

 

中和滴定
  • 標準液;1mol/L塩酸。標準試薬;炭酸ナトリウム。指示薬;メチルレッド又は電位差滴定法

 

非水滴定
  • 標準液;0.1mol/L過塩素酸。フタル酸水素カリウム。指示薬;クリスタルバイオレット又は電位差滴定法
  • 標準液;0.1mol/Lテトラメチルアンモニウムヒドロキシド液。標準試薬;安息香酸。指示薬;チモールブルー・N,N-ジメチルホルムアミド又は電位差滴定法

 

沈殿滴定
  • 標準液;0.1mol/L硝酸銀液。標準試薬;塩化ナトリウム。指示薬;フルオレセインナトリウム又は電位差滴定法

 

酸化還元滴定
  • 標準液;0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液。標準試薬;ヨウ素酸カリウム。指示薬;デンプン試薬又は電位差滴定法

 

キレート滴定
  • 標準液;0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液。標準試薬;亜鉛。指示薬;エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム

 

まとめ

  • 容量分析法には中和滴定、非水滴定、キレート滴定、沈殿滴定、酸化還元滴定などがあり標準液、標準試薬、指示薬が決まっている。

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