Sponsored Link
前回の電気泳動法の原理では電荷に依存して分離する電気泳動法について見ました。今回は大きさによる分離方法について見てみます。
大きさによる分離方法には以下のようなものがあります。
Sponsored Link
Sponsored Link
アガロースゲル電気泳動法は支持体に網目構造を持つアガロースゲルを用いることで、リン酸基があり負の電荷を持つ核酸は陽極に向かって移動しますが、小さいものほど網目をすり抜けて移動します。その結果、分子量の差によってふるいがかけられて大きさによって分離することができます。
SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)とはsodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresisの略です。先ほどのアガロースゲル電気泳動とは異なり、ポリアクリルアミドゲルを支持体として行う電気泳動法です。
タンパク質は様々なアミノ酸からなり、分子量や電荷は一律ではありません。そこで、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)は2-メルカプトエタノールなどの還元剤を使うことで、タンパク質の結合に関わっているジスルフィド結合を切ります。ジスルフィド結合を切ることで、タンパク質の三次構造を壊します。
さてここでようやくSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)のSDSが出てきます。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS; sodium dodecyl sulfate)はラウリル硫酸ナトリウムとも呼ばれる陰イオン性界面活性剤であり、還元剤でバラされたタンパク質に対して、ドデシル硫酸ナトリウムを加えることで、タンパク質を負に帯電させます。この時にアミノ酸約2残基当たりSDS1分子が結合します。
ドデシル硫酸ナトリウムによって負に帯電されたタンパク質に対して電気泳動法を行うことで陽極へ移動しますが、分子量が小さいタンパク質ほど移動速度が速くなります。