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低分子の医薬品やアミノ酸などの分離や確認に電気泳動法が使われます。今回は電気泳動法について見ていきたいと思います。
電気泳動法は、電荷のある物質を電極の間に入れて電圧をかけることで、負の電荷をもつ成分は陽極側へ、正の電荷をもつ成分は陰極側へ移動します。例えばアミノ酸は等電点より酸性側では陽イオン、等電点よりアルカリ性では陰イオンとなるため、アミノ酸の等電点より酸性側のpHでは陰極側に移動します。またアミノ酸の等電点より塩基性側のpHでは陽極側へ移動します。
電気泳動法の移動速度はpHだけでなく、様々な要因によって影響を受け例えば以下のようなものがあります。
電気がかかればそれだけ速く移動するのはイメージしやすいかと思います。またイオンが大きければ時間がかかったり、粘度や距離があればそれだけ移動に時間がかかるのもイメージしやすいかと思います。
電気泳動法の分離は、イオンの電荷や、イオンの大きさに依存して分離されますが、今回はそのうちイオンの電荷に依存して分離する等電点電気泳動法、等速電気泳動法について見ていきます。
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等電点電気泳動法は電極間にpH勾配をつくり、等電点の異なる物質を分離する電気泳動法です。例えば、等電点が、4、6、8のものを等電点電気泳動法を行うと先ほどの図のように移動します。
等速電気泳動法は移動液に先行イオン液と終末イオン液の2種類の電解液を用いることで、溶質の電荷によって分離する電気泳動法です。例えば、等電点4、6、8のものを等速電気泳動法すると以下の図のように移動します。
これは終末イオン液のpHが等電点4のものより高いことによって、終末イオン液と触れることによって負に荷電することで陽極側に移動します。また等電点8のものは先行イオン液よりも移動が遅いため、分離することができます。等速電気泳動法は等電点で沈殿しやすい物質や活性が減ってしまう物質に対して有効です。
次回はイオンの大きさによって分離する電気泳動法をみます。