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前回の熱力学3、エンタルピーとは?ヘスの法則の計算ではエンタルピーについてまとめました。その時にややこしい言葉として「エントロピー」があるという話をしました。今回はエントロピーについて見ていきたいと思います。
エントロピーとは乱雑さの指標となるもので、示量性状態関数の1つです・・・と言っても乱雑さがよくわからないと思うので例を見ていきます。
例えば、コーヒーにミルクを入れるとはじめは固まっていますが、そのうち混ざりあってきます。実際には、スプーンでかき混ぜてあっという間に混ざってしまいますが、はじめは一か所にまとまっています。時間が経つにつれてミルクが、コーヒーの中へと均一に散らばっていきます。これを乱雑な状態と言います。
ここで、コーヒーの中に混ざってしまったミルクは時間が経つと、また元に戻るでしょうか?もとに戻らず混ざったままですよね。このように自然におこる変化はもとに戻らず不可逆的です。エントロピーは与えられた条件で、どれだけもとに戻りにくいかということを表しているのです。
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エントロピーに関連した法則として熱力学第二法則があります。熱力学第二法則は系の自発性と平衡に関する法則であり、以下のような表現がされます。
要するに熱力学第二法則は、「仕事をするにあたって、必ず無駄が出てくるよ」「物事は必ず散らかる方向に進むよ」ということを言っています。
熱力学第二法則の他にも、エントロピーに関わるものに熱力学第三法則があります。熱力学第三法則は完全結晶性物質のエントロピーは0Kで0であるというものです。つまり、−273℃ではエントロピーは0と言い換えることもできます。
ここまでやったら、エンタルピーとエントロピーは全然違うものというのがわかったと思います。そのまとめとして、水の相の変化とエンタルピーとエントロピーの変化について見てみましょう。
エンタルピーについてはΔH>0は吸熱反応で、ΔH<0は発熱反応でしたね。それがわかっていれば、吸熱することで固体から液体、さらには気体になっていくのがわかると思います。逆に発熱することで、気体から液体、固体へと変わっていきます。
エントロピーについては、ギューッとしている固体から、バラバラとしている気体になるため、ΔS>0となります。また逆にバラバラしている気体から、ギューッとしている固体になるのはΔS<0であることがわかります。