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前回の直接滴定と逆滴定、対応量の計算では基本的な計算についてみました。今回からは滴定の各論です。まず中和滴定です。
中和滴定は酸性医薬品や塩基性医薬品を中和反応を利用して滴定する方法です。それぞれの医薬品では以下のようなものが標準液として使われます。
なお、中和滴定や次回の非水滴定では指示電極にはガラス電極が使われます。ガラス→クリスタル→ヒスイ→中和(酸塩基つながり)とイメージすると覚えやすいかもしれません。
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中和滴定の指示薬はpHの変化により指示薬の構造が変わることによって色の変化が起こります。いくつか種類がありますが、代表的なものには以下のものがあります。
これらの指示薬を使って中和滴定を行うと滴定曲線がえられ、酸と塩基の組み合わせによって曲線が変わってきます。当量点近くにおけるpHの急激な変化をpH飛躍(pHジャンプ、pHjump)と呼びますが、その位置が異なります。
ではグラフの問題を見てみましょう。
以下の4種類の中和滴定を行った
この時のそれぞれのグラフは次のうちどれになるか答えよ。
強酸と強塩基の組み合わせです。次の選択肢と比べて強酸も強塩基も高濃度であるため、pHジャンプは大きくなります。そのためBのグラフが正解です。
強酸と強塩基の組み合わせです。前問の解説通り、こちらの方が強酸も強塩基も低濃度であるため、pHジャンプは小さくなります。そのためAのグラフが正解です。
弱酸と強塩基の組み合わせです。そのためpHジャンプは塩基性側に見られるので、Dのグラフが正解です。
弱塩基と強酸の組み合わせです。そのためpHジャンプは酸性側に見られるので、Cのグラフが正解です。