比吸光度、モル吸光係数の計算

比吸光度、モル吸光係数の計算

比吸光度、モル吸光係数の計算はLambert-Beerの法則などを使って計算を行います。計算問題が解けるようになる必要があります。

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比吸光度、モル吸光係数の計算

前回の電磁波と吸光度では吸光度の基本的なことを学びました。今回は吸光度の計算を国試風な例題をもとに見ていきたいと思います。

 

 

例題1

分子量200の医薬品を1mg水に溶かして50mlとした。この水溶液を層長1cmで波長250nmにおける吸光度を測定した。この時の吸光度はいくらか?ただし、この医薬品の水溶液の250nmにおける比吸光度は125とする

 

まず方針としては、前回紹介したLambert-Beerの法則の使うことをイメージします。Lambert-Beerの法則はA=kclでしたね。問題文を見ると

 

  • A;もとめるもの
  • k;比吸光度125
  • c;不明
  • l;1cm

 

つまりcを出せればAをもとめることができますので、cを計算していきます。

 

cは濃度です。比吸光度は1w/v%の時の濃度であるため、w/v%で濃度を出します。

 

1mg=0.001gがw、50mlがvに相当するため、c=0.001/50=0.002w/v%となります。これを代入して

 

A=125×0.002×1=0.25。これが答えです。

 

もう一つ例題を解いてみましょう。

 

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例題2

分子量500の医薬品10mgを水に溶かして50mlとした。この溶液10mlを正確にはかって、さらに水を加えて正確に100mlとした。この溶液を層長1cmで波長360nmで吸光度を測定した。この医薬品の360nmにおける比吸光度を250とするとき以下の時に答えよ。

 

  • 問1、吸光度はいくらか
  • 問2、360nmにおけるモル吸光係数はいくらか

 

問1、吸光度はいくらか

先ほどの例題1と同じようにやっていきます。A=kclのうち、

 

  • A;もとめるもの
  • k;比吸光度250
  • c;不明
  • l;1cm

 

となっています。そのため今回も濃度がわかればよいわけです。ただ色々希釈などをしているところが違います。問題文を1つずつ計算していきます。

 

医薬品10mgを水に溶かして50mlとしたなので、0.01g/50ml=0.0002g/ml

 

この溶液10mlを正確にはかってなので、0.0002g/ml×10ml=0.002g

 

さらに水を加えて正確に100mlとしたなので、0.002g/100ml=0.00002g/ml=0.002w/v%となります。これを代入して、

 

A=250×0.002×1=0.5。これが答えです。

 

問2、360nmにおけるモル吸光係数はいくらか

A=kclのうち、モル吸光係数は濃度が1mol/L、光路長が1cmの時のでした。

 

  • A;0.5(問1より)
  • k;求めるもの
  • c;不明
  • l;1cm

 

そのためまたcだけだせば良いことがわかります。cはmol/Lであり、問1の時点で、0.00002g/mlとわかっているので、これをモル濃度に換算します。

 

0.00002g/ml=0.02g/L=0.00004mol/L。これを代入して、

 

0.5=k×0.00004×1

 

k=12500。これが答えです。

 

まとめ

  • 比吸光度やモル吸光係数の計算はできるようになりましょう。

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