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前回の熱力学5、ギブズ(Gibbs)エネルギーとは?ではギブズ(Gibbs)エネルギーについて見ました。今回はvan’t Hoff式(ファントホッフ式)のなどのグラフを見ていきたいと思います。
ここでは詳細は割愛しますが、ギブズ(Gibbs)エネルギーを全微分すると、dG=Vdp−SdTとなります。この式では、dG、dP、dTと変化量が3つあるので3次元であることがわかります。ただ3次元だとわかりにくいので、圧力を一定に(dP=0)したり、温度を一定に(dT=0)したり固定することで2次元でみることができます。
dP=0となるので、dG=−SdTとなります。この時、dGを縦軸、dTを横軸としてグラフを描くと以下のようになります。
この時、温度を上げていくにつれて相の状態は、固相、液相、気相と変化していきます。またグラフの傾きは−Sとなります。
dT=0となるので、dG=Vdpとなります。この時、dGを縦軸、dpを横軸としてグラフを描くと以下のようになります。
この時、圧力を上げていくにつれて相の状態は、気相、液相、固相と変化していきます。この時のグラフの傾きはVとなります。
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標準状態での反応に伴うギブズエネルギー変化を標準自由エネルギー差ΔG゜と言います。標準自由エネルギー差ΔG゜は、絶対温度Tにおいて平衡状態にある時平衡定数K、気体定数Rなどを用いて
で表されます。この式をvan’t Hoff式(ファントホッフ式)と言います。van’t Hoff式(ファントホッフ式)のlnKを左辺にして変形すると
となります。この式をもとにlnKを縦軸、1/Tを横軸にしてグラフを書くと以下のようになります。
傾きが(−ΔH゜/R)であるため、発熱反応(ΔH゜<0)の場合は右上がりのグラフ、吸熱反応(ΔH゜>0)の場合は右下がりのグラフとなります。つまりこのグラフからΔH゜を求めることができます。その他にも縦軸の切片からΔS゜も求めることができます。