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前回の保持時間(tR)、分離度(Rs)、分離係数(α)、シンメトリー係数(S)、カラム効率では、クロマトグラムについてみました。これらを用いて定性や定量を行っていきます。今回はクロマトグラフィーの定性や定量について見ていきたいと思います。
クロマトグラフィーの定性は、試料の被検成分と標準被検成分の保持時間を一致することで確認します。もしくは、試料に標準被検成分を添加しても、試料の被検成分のピーク形状が崩れないことによって確認します。
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ピークの大きさが成分量に比例するため、ピークの大きさで定量を行います。ピークの大きさを測る方法には、ピークの高さを測ったり、ピークの面積を測ったりする方法があります。
標準被検成分で検量線を作りますが、以下のような方法があります。
被検成分になるべく近い保持時間を持ち、いずれのピークとも完全に分離する安定な物質を内標準物質と言います。この内標準物質を一定にして、標準被検成分を段階的に加えていきます。例えば図では内標準物質1に対して、標準被検成分を1、2、3と入れていきます。
これをもとに検量線を作ります。縦軸はピーク面積比もしくはピーク高さ比などで、横軸は標準被検成分量です。
作った検量線をもとに、知りたい試料も同じようにやり、検量線に代入することで被検成分量を求めます。
内標準法は試料の注入量を一定にしなくてもよく、信頼性も高く操作も簡単であることから、他の方法よりよく用いられます。
絶対検量線法は先ほどのように、内標準物質は用いないため、適当な内標準物質が無い場合に行われます。絶対検量線法はあくまで標準被検成分を段階的に増やして、検量線を作ります。そして、求めたい試料のピークの大きさを代入することで被検成分量を求めます。
内標準法に対して、絶対検量線法は全操作を厳密に一定に保って行う必要があります。
標準添加法は、被検成分の標準溶液に対して、被検成分以外の成分を入れて希釈して試料溶液を作ります。希釈をすることで、検量線は原点を通らず上にシフトしたようなグラフとなります。このグラフにおいて、縦軸が0の時の横軸の値が被検成分量となります。
標準添加法も絶対検量線法と同様に全操作を厳密に一定に保って行う必要があります