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医師は診断をするために、様々な検査をしますが、その中でも皆さんのなじみ深いものとしてはレントゲン検査かと思います。今回はレントゲン検査などのX線を使った検査方法について見ていきたいと思います。
X線は感光板を黒く変色させて、透過したところでは黒く見えます。逆にX線が物体によって遮られると白く見えます。X線検査は、この性質を利用し、ヒトにX線を当てて各組織を通過したX線の透過率(吸収率)を記録する検査です。
X線の吸収率は、骨>水>脂肪>空気となっていて、この差を利用して画像を映します。X線検査には、以下のようなものがあります。
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X線単純撮影法は、造影剤を投与しないで、先ほどのX線の吸収率を利用した撮影法になります。皆さんがよく健康診断の時にレントゲン(胸部X線)をやるかと思いますが、それにあたるのがX線単純撮影法です。
X線造影撮影法は、造影剤を投与して撮影するX線検査を言います。組織間でX線の吸収率が似ていると、画像がうまく撮影できないため、X線の吸収率が変わる造影剤を投与することで撮影しやすくします。こちらも健康診断で行ういわゆるバリウムがこれに該当します。レントゲンは嫌がる人はあまりいませんが、バリウムは検査後のお通じトラブルを起こす方がいるので苦手な人も多いですよね(笑)造影剤には以下のようなものがあります。
薬剤師として知っておきたいのが、ヨード造影剤を用いる時にメトグルコ(メトホルミン)を併用してしまうと乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、検査前は一時的に中止するのが一般的です。一時中止したメトグルコはヨード造影剤投与48時間後以降に再開します。
CT検査はComputed Tomographyの略で、X線コンピュータ断層撮影と訳されます。CT検査もX線の吸収率の違いを利用することで画像を得ますが、X線検査が平面的な画像であったのに対して、CT検査は様々な角度からX線を当てて三次元の画像を得ることができます。しかし、CT検査はX線検査に比べて被ばくが大きいです。
CT検査においてもX線の吸収率は組織ごとにことなり、骨>筋肉>血液>脂肪>肺となっています。CT検査は様々な部位の検査に用いられますが、特に出血などの血流状態を調べるのに適しています。