

Sponsored Link
前回の赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)の読み方では、赤外吸収スペクトルを見ました。今回は旋光度測定法について見ていきたいと思います。

旋光度測定法は、光学活性物質の定性や定量、波長と旋光度の関係から立体構造の解析ができます。旋光性(光学活性)は、右円偏光と左円偏光に対する屈折率の差が原因で起こります。
旋光度の値は測定管の層長、溶液の濃度、測定温度、測定波長によって影響を受けます。逆を言えば、旋光度は波長、温度、層長を固定すれば、濃度に比例するとも言えます。そのためこれらを固定します。日本薬局方においては、波長はナトリウムスペクトルのD線、温度は20℃か25℃、層長は100mmで行います。

試料の単位濃度及び単位光路長における旋光度を比旋光度と言い、次の式で表されます。
Sponsored Link
Sponsored Link
先ほどの旋光度において波長を固定しないと、旋光度は波長によって影響を受けることになります。この現象を旋光分散(Optical Rotatory Dispersion;ORD)と言います。
旋光分散(ORD)は波長を変化させて測定するため、光源にはナトリウムスペクトルのD線ではなく、キセノンランプが用いられます。よって、横軸には波長、縦軸には旋光度か比旋光度で作られた曲線である旋光分散曲線が得られます。

このグラフにおいて、旋光度の符号がプラスからマイナス、あるいはマイナスからプラスへと逆転する現象がみられることがあり、これをコットン効果と言います。コットン効果は左右円偏光の吸収率の違いによる円偏光二色性と左右円偏光の屈折率の変化が異なる現象が同時に起こった時などに見られます。

ちなみに円偏光二色性(Circular Dichroism;CD)とは、光学活性物質において、左右円偏光の吸収率に違いがあり、この両者を合成した円偏光が楕円になる現象を言います。円偏光二色性(CD)は右円偏光と左円偏光に対するモル吸光係数の差が原因で起こります。左右円偏光の「吸収」からモル「吸光」係数をイメージするとつなげやすいです。