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前回のクロマトグラフィーの原理と種類ではクロマトグラフィーの基本について学びました。クロマトグラフィーの結果、分離された各物質が検出器で検出されますが、この連続的な時間経過の様子を記録したものをクロマトグラムと言い、今回はクロマトグラムについて見ていきたいと思います。

クロマトグラムは以下の図のような、山が出てくるようなグラフで表されて指標には以下のようなものがあります。
、分離度(rs)、分離係数(α)、シンメトリー係数(s)、カラム効率1.png)
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保持時間(tR)は測定試料の注入時からピークの頂点までの時間を表します。保持時間(tR)はカラムの充填剤、温度、移動相の種類、流速などに影響されます。逆を言えばこれらの条件を一定にすることで物質に固有の値になるため、保持時間(tR)は物質の同定に使われます。
分離度(Rs)はクロマトグラム上のピーク相互の保持時間とそれぞれのピーク幅との関係を表します。そして分離係数(α)はクロマトグラム上のピーク相互の保持時間の関係を表します。分離度(Rs)、分離係数(α)の定義からもわかるように、分離度(Rs)がメインで、分離係数(α)がサブ的なイメージです。
例えば、以下の2つのクロマトグラムでは、ピークの頂点が同じ位置にあるため、分離係数(α)は同じになります。しかし、山の幅であるピーク幅が異なるため分離度(Rs)は異なります。
、分離度(rs)、分離係数(α)、シンメトリー係数(s)、カラム効率2.png)
ここでは式は割愛しますが、同一条件において、2つの化合物の保持時間が同じ場合分離係数(α)=1となります。ややこしいのが、同一条件において、2つの化合物の保持時間が同じ場合分離度(Rs)=0となります。
つまり、分離度(Rs)=0、分離係数(α)=1の場合は2つの化合物の保持時間が同じと言えます。覚え方のコツとして、分離度は3文字、分離係数は4文字と分離度の方が文字数が少ないので0、分離係数の方が文字数が多いので1と文字数と数字を結び付けて割り切って覚えましょう。
シンメトリー係数(S)はクロマトグラム上のピークの対称性の度合いを示す指標です。通常はきれいな山が出ますが、試料に対して固定相、移動相の選択が不適切であったり、カラムが不均一に充填されていたりすると、非対称的な山が出てきます。
、分離度(rs)、分離係数(α)、シンメトリー係数(s)、カラム効率3.png)
テーリングはtailingであり、tail(しっぽ)を連想させて覚えましょう。
カラム効率は、1つのカラムを何個かの段にわけて、この段の中を通って分離が行われると仮定してどれくらい効率が良いかを考えます。
カラム効率を比べるにあたり、カラム中における物質のバンドの広がりがどれくらいだったかを表す理論段数(N)が指標となります。ピークが鋭く、保持時間が長いほど理論段数(N)は大きくなり効率的なカラムと言えます。例えば次のAとBのカラムを比べたときには、Aの理論段数(N)が6、Bの理論段数(N)が3だったとすると、Aの方が良いカラムと言えます。
、分離度(rs)、分離係数(α)、シンメトリー係数(s)、カラム効率4.png)
ただ、カラム効率を比べる指標はもう1つあり、それを理論段当たり高さ(H)と言います。理論段当たり高さ(H)はカラム全長を理論段数で割った値で、こちらは理論段当たり高さ(H)が小さいほど効率の良いカラムと言えます。例えばさっきのAとBについて、同じ6段だったとすると、Aの理論段当たり高さ(H)が1、Bの理論段当たり高さ(H)が2となり、このことからもAの方がいいカラムとわかります。