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前回の1HNMRスペクトルの読み方、知識編では、1HNMRスペクトルの基本的なことを見ました。今回は、1HNMRの問題編を見てみます。

さっそく例題にいきましょう!
次のア〜ウは、それぞれ化合物a〜cの1NMRスペクトル(300MHz)である。基準物質はテトラメチルシランとし、重クロロホルム中で測定しているが、テトラメチルシランや測定溶媒に由来するシグナルは除いてある。スペクトルと化合物の正しい組み合わせはどれか、答えよ。



化学シフトが4付近にあることから、-O-CH2の構造があることが推測できます。また4重線であることから、隣の水素は3つであることがわかります。
この時点でaとわかるのですが、残りの化学シフトをみてみると、2付近のものは-CO-CH3があることが推測できます。また1重線であることから、隣の水素は0であることがわかります。
最後に1.2〜1.3あたりの化学シフトです。3重線であることから、隣の水素は2つであることがわかります。これが構造式の一番右のCH3のものとわかります。
よって答えはaです。
同じく化学シフト4付近にあることから、-O-CH3の構造があることが推測できます。また1重線であることから、隣の水素は0であることがわかります。
これもこの時点でcとわかるのですが、残りの化学シフトをみてみると、2.4〜2.3付近のものは、-CO-CH2があることが推測できます。また4重線であることから、隣の水素は3つであることがわかります。
最後に1.1〜1.2あたりの化学シフトです。3重線であることから、隣の水素2つであることがわかります。これが構造式の一番左のCH3のものとわかります。
よって答えはcです。
消去法よりaとわかりますが、見ていきます。
化学シフト2.4〜2.5にあることから、-CO-CH2があることが推測できます。また4重線であることから、隣の水素は3であることがわかります。
化学シフト2付近のものは1重線であることから、隣の水素は0であることがわかります。これがaの構造式の一番左のCH3のものとわかります。
最後に1〜1.1の化学シフトです。3重線であることから、隣の水素は2つであることがわかります。これが構造式の一番右のCH3のものとわかります。
よって答えはaです。
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次の図は、ある化合物(C10H13NO2)の60Hzの装置でDMSO-d6中、テトラメチルシランを基準物質として測定した1HNMRスペクトルである。このスペクトルから化学構造を推定し、該当する化合物はどれか?ただし、9.55ppm付近のシグナルは重水で処理すると消失する。また、テトラメチルシランや測定溶媒に基づくシグナルは除いてある。


7前後の化学シフトはベンゼン環を表しますが、全ての構造式が当てはまるためヒントにはなりません。
4付近の化学シフトは-O-CH2があることを推測できます。また4重線であることから、隣の水素は3つであることがわかります。このことから、4か5であることが推測できます。
2付近の化学シフトは-CO-CH3があることが推測できます。また1重線であることから、隣の水素は0であることがわかります。このことから5であることがわかります。
1付近の化学シフトは3重線であることから、隣の水素は2つであることがわかります。これが構造式の一番左のCH3であることがわかります。
最後に念押しです。問題文の「9.55ppm付近のシグナルは重水で処理すると消失する」は重水素交換法を指します。つまり、OHやNHの存在が確認できることを示します。また隣の水素は0であることがわかります。このことから5の-NHCO-が該当することが確認できます。
以上のことから、5が答えです。