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前回の中和滴定のグラフでは中和滴定を見ました。今回は非水滴定とキレート滴定を見てみたいと思います。
極めて弱い酸や塩基は、水の自己解離が現れるため中和滴定を行えません。非水滴定は、そのようなきわめて弱い酸や塩基を水以外の溶媒に入れて行う滴定です。それぞれの医薬品では以下のような標準液や指示薬が使われます。
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キレート滴定は、金属イオンの定量を行う滴定で、名前の通りキレート生成を利用します。標準液には、エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム(EDTAナトリウム)が使われます。キレート滴定の対象金属には、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Bi3+、Al3+などがありますが、エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム(EDTAナトリウム)と金属イオンは1:1で反応します。
キレート滴定の指示薬も色々なものがあり、対象金属によって異なりますが、キレート滴定の指示薬自身も弱いキレート精製能力を持ちます。ここでは、代表例としてZn2+の直接滴定を見てみます。
Zn2+にエリオクロムブラックTを入れると、Zn2+とエリオクロムブラックTと結合して赤色になります。その後にエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム(EDTAナトリウム)を入れると、エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム(EDTAナトリウム)とZn2+が結合するため、エリオクロムブラックTは遊離して青色となります。
それでは例題を見てみましょう
日本薬局方医薬品アスピリンアルミニウム(C18H15AlO9)中を精密に0.4g量り、水酸化ナトリウム10mLに溶かし、1mol/L塩酸試液を添加してpHを約1とした。さらにpH3.0の酢酸・酢酸アンモニウム緩衝液20LとCu-PAN試液0.5mLを加えて煮沸しながら0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム液で滴定する。この時の対応量はいくらか?ただしアルミニウム(Al;26.98)とする。
また問題文がごちゃごちゃ書いてありますが、要するにアルミニウムのキレート滴定の対応量を求める問題です。対応量は用いた標準液1mLに対応する資料の量(mg)なので、またそれぞれのモルを出していきます。
求めるアルミニウムをx(mg)とすると、0.001x/26.98がモルとなります。
1(mL)=0.001(L)であるため、0.05mol/L・0.001=0.05・0.001molとなります。
エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム液と金属イオンは1:1で反応でした。そのため、1:1=(0.001x/26.98):0.05・0.001
0.001x/26.98=0.05・0.001
x=0.05・26.98=1.349(mg)。これが答えです。