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前回の標準偏差、例題編で理論的な標準偏差の出し方を見てきました。普段、じっくりと統計学を学ぶには前回までの基本に沿ったやり方をするのが一番です。しかし、薬学部の統計学のテストでは残念ながら時間制限があります。そこで薬学部の統計学向けの裏技的な要素として、なるべく楽に標準偏差を出す方法をみていきたいと思います。
まず分散はΣを用いて表すと以下のようになりました。
これを式変形していきます。まずΣの中身を展開します。
Σ計算のルールに基づき、すべてにΣをつけて、定数を外に出します。
平均値(エックスバー)=1/n(ΣX)で求められるため、ΣX=n×平均値(エックスバー)が成り立ち、これを代入します。
これを行うことで第2項と第3項を計算することができます。
最後にまたΣX=n×平均値(エックスバー)を使い、再びΣXに戻します。
これで式変形が終わりです。この式の凄いところは、分散をデータの合計値、データの二乗の合計値、平均値この3つの要素だけで出すことができる点です。データの合計値を出せば、必然的に平均値を出すことができるわけですから、普通に標準偏差を出すときと比べても、実質の手間としてはデータの二乗の合計値だけと言えます。
私一人で興奮して、この式のすごさを語ってもあまり伝わらないと思うので、この式を使って前回の例題を解いてみましょう。
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Bチームの標準偏差を求めよ
まず、Bチームの全ての合計値と、二乗の合計値を出します。
次に平均値を出します。前回の例題同様、平均値(エックスバー)=28.6となります。
次に分散です。先ほど式変形して導き出した式を使うと、
分散=1/10(8310−28.6×286)=13.04
と偏差を出さずして、分散をあっさり出すことができました。分散が出せたので、これに√をとることで標準偏差が出せるので、√13.04=3.61。当たり前ですが前回の例題と同じ答えを出せました。
いかがでしたでしょうか?私が興奮して伝えたいことがわかったでしょうか?(笑)おそらく普通に標準偏差を出すより、かなり早く出せたのではないでしょうか?薬学部の統計学は時間勝負なところがあると思うので、ぜひこの式を有効に使ってください。