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前回の母分散をカイ二乗分布で推定する方法では、母分散の95%信頼区間をやりました。今回は前回出てきた(標本−母平均)/母標準偏差の二乗の和という式のうち、「母平均」を「標本平均」に変えたらどうなるのかというのをみていきたいと思います。
(標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和を数式化すると
(標本1−標本平均)^2/母標準偏差^2+(標本2−標本平均)^2/母標準偏差^2+(標本3−標本平均)^2/母標準偏差^2+・・・・(標本n−標本平均)^2/母標準偏差^2となります。母標準偏差^2は母分散となるので
(標本1−標本平均)^2/母分散+(標本2−標本平均)^2/母分散+(標本3−標本平均)^2/母分散+・・・・(標本n−標本平均)^2/母分散となります。この式をさらに変形すると
{(標本1−標本平均)^2+(標本2−標本平均)^2+(標本3−標本平均)^2+・・・・(標本n−標本平均)^2}/母分散とまとめることができます。これを統計量Wとします。
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一方で標本分散の出し方は、以下の手順で出しました。
つまり、{(標本1−標本平均)^2+(標本2−標本平均)^2+(標本3−標本平均)^2+・・・・(標本n−標本平均)^2}/n
ここでそれぞれの式の分子をみてみると、{(標本1−標本平均)^2+(標本2−標本平均)^2+(標本3−標本平均)^2+・・・・(標本n−標本平均)^2}の部分が全く一緒です。
つまりW×母分散=n×標本分散ということができます。これをさらに式変形すると
W=n×標本分散÷母分散となります。標本分散はカイ二乗分布するので、それの比例関係となっているWもカイ二乗分布することがわかります。
要するに、(標本−母平均)/母標準偏差の二乗の和という式のうち、「母平均」を「標本平均」に変えた(標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和もカイ二乗分布することがわかりました。ただし、このカイ二乗分布は自由度がn−1となります。つまり自由度が1減るということです。脳みそが疲れたと思うので、今回はこれくらいにしておいて、自由度が1減る説明は次回行いたいと思います。