![基準値と偏差値](../img/header.jpg)
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前回の統計学で偏差値を考えるでは、点数の価値について統計学的に見てきました。今回はいよいよ偏差値についてみていきます。
前回の例で見ていただいたように、テストの点数を比較して価値をつけたり、優劣をつけるのはなかなか難しいのがわかったかと思います。そこで、点数の価値を比較しやすくするデータを基準値と言います。基準値は以下の式から求められます。
衛生と薬剤の平均値は37.6、標準偏差は衛生が20.00、薬剤が17.75でした。
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まず衛生のあなたの基準値を出してみます。
(63−37.6)/20.0=1.27
同様に衛生の全員の分の基準値を出してみると以下のようになるかと思います。
前回あなたの衛生63点より、友達の薬剤63点の方が価値があるという話をしましたが、基準値においても衛生が1.27、薬剤が1.43となり薬剤の方が価値があることがわかりますね。
このように基準値を用いることで比較できますが、基準値は以下のような特徴を持ちます。
つまり基準値は50点満点のテストでも、100点満点のテストでも比較が可能であったり、単位が異なるものも比較ができるようになります。
先ほどの基準値の考え方は、のちに出てくる正規分布にも活かすことができます。変数xから平均値μを引き、標準偏差で割りこれをzとします。
このようにxをzに変えることを標準化と言いますが、標準化をすることで平均0、標準偏差1の正規分布となります。
なぜかというと、x-μは元の分布は平均がμより0のところへとスライドしますが、標準偏差には影響を与えません。(詳細は別ページ、データに一定数を加えた時の平均値や標準偏差への影響を参照)
そして、このx-μをσで割るということは平均も照準偏差も1/σとなります。平均はすでに0なので影響を受けず、標準偏差のみ1/σとなるため標準偏差は1となります。(詳細は別ページ、データに一定数をかけた時の平均値や標準偏差への影響を参照)
基準値までを仕上げたので、ようやく偏差値の説明となります。偏差値は以下の式で表されます。
この式をもとにあなたの衛生の偏差値を出してみると、62.7となります。ようやく見慣れた数字が出てきましたね。
偏差値を出す式からもわかるように、基準値をもとにして出しているので先ほどの基準値の特徴は偏差値にも受け継がれます。