t分布を利用した未知の母平均の区間推定、例題

t分布を利用した未知の母平均の区間推定、例題

統計量Tとt分布表を用いることで、未知の母平均を推定することができます。薬学部の統計学ではt分布までできていれば、かなりのレベルまで達しています。

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t分布を利用した未知の母平均の区間推定、例題

前回のt分布表の読み方では、t分布表についてみました。今回は、t分布を利用した未知の母平均の区間推定を例題を用いて確認していきます。

 

 

では、早速例題です。

 

例題

正規母集団の錠剤の重さの母平均を推定するために、データをランダムに8個とったところ、3、4、5、5、6、4、5、8となった。この時の母平均を区間推定しなさい。必要であれば、次のt分布表を使え

 

 

この前やった例題では母平均を知っているものとしてやりましたが、今回は未知です。ただやることは前回の例題や今までの区間推定とそこまで変わりません。統計量Tとt分布表から求めていきます。

 

まず標本平均を出すと

 

(3+4+5+5+6+4+5+8)/8=5

 

次に、標本平均から標本分散を出します。

 

{(−2)^2+(−1)^2+0^2+0^2+(+1)^2+(−1)^2+0^2+(+3)^2}/8=2

 

標本標準偏差は、標本分散の√(ルート)をとるので√2=1.41となります。

 

T=(標本平均−母平均)×√(n−1)/標本標準偏差

 

であるため、これらを代入すると、

 

T={(5−母平均)√7}/1.41

 

となります。

 

データを8個とっていることから、自由度は7となります。t分布表で自由度7の確率95%を見ると、2.365となっています。そのため、自由度7の95%予言的中区間は−2.365〜2.365の範囲となります。

 

95%予言的中区間の中に統計量Tが入ればよいわけなので、

 

−2.365≦{(5−母平均)√7}/1.41≦2.365

 

√7=2.65として、これを解くと

 

3.74≦母平均≦6.26

 

これが答えです。

 

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統計量Tとt分布表からの未知の母平均を推定する方法をまとめると

 

  1. 標本平均を出し、標本分散、標本標準偏差を出す。
  2. T=(標本平均−母平均)×√(n−1)/標本標準偏差に母平均以外の数字を代入して統計量Tを作り上げる。
  3. t分布表より対象となる自由度の95%予言的中区間を確認する
  4. 95%予言的中区間の間に統計量Tが入るものとして、不等式を作り解くことで母平均が推定できる。

 

このようにして、統計量Tとt分布表から未知の母平均を推測することができます。t分布まで理解できていれば、薬学部の統計学ではかなりのレベルにまで到達していることになると思います。お疲れさまでした。頑張れる方は、さらなる高みへ向かっていきましょう!!

 

まとめ

  • 統計量Tとt分布表を用いることで、未知の母平均を推定することができる。

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