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Excelを用いた単相関係数の求め方
前回の相関分析、単相関係数と例題では慣れるために単相関係数を手で計算しました。今回はExcelを使った単相関係数の求め方をみていきたいと思います。
Excelを用いた単相関係数の求め方
前回やった年齢と血圧についての例題の単相関係数をExcelで求めてみます。
- A;年齢18歳、血圧111
- B;年齢24歳、血圧102
- C;年齢31歳、血圧134
- D;年齢60歳、血圧148
- E;年齢48歳、血圧155
- F;年齢22歳、血圧120
- G;年齢35歳、血圧126
- H;年齢41歳、血圧131
- I;年齢52歳、血圧138
- J;年齢30歳、血圧128
先に完成図を載せておきますので適宜参照しながら進めてください。
はじめにA2セルに「データ1」と打ちます。そしてそのままA2セルをクリックして、右下角にマウスのポインタを合わせると黒十字になるので、そのままA11セルまで引っ張ることで一気にデータ10までコピーされます。
次に、B2セルに「年齢」、C2セルに「血圧」、A13セルに「単相関係数」と打ちます。
項目が打ち終わったら、年齢(B2〜B11)と血圧(C2〜C11)を入力しましょう。
年齢や血圧を打ち終えたらB13セルをクリックして、メニューバーより関数の挿入を選び、「CORREL」を選びます。CORRELは、おそらくcorrelate(相互に関連付ける)からきたもので、単相関係数を求められる関数です。
CORRELを選ぶと、配列を選ぶ項目が出てくるので、配列1には今回でいう年齢のデータを入れるので、「B2:B11」と打ちます。同様に配列2は血圧のデータを入れるので、「C2:C11」と打ちます。そして「OK」ボタンを押すと単相関係数が出てきます。
前回途方もないくらいの作業をして0.844という数字を計算しましたが、ExcelのCORRELを使って、こんなに簡単に単相関係数って求められるの?と驚きませんでしたか?今回はデータが10人のみだったので、どうにか手で計算できるレベルだったかと思いますが、想像してください。このデータ数が、100人、1000人などと増えていくとどうでしょうか?・・・・・お手上げですし、計算ミスする可能性しかありません(笑)
そのため私は単相関係数がExcelで計算できることを初めて知った時に感動しました(笑)この感動がわかるのは、手で計算する苦労を知ったもののみです。文明の利器も大事ですが、感動したい方はぜひ手で計算もやってみてください。皆さんの挑戦待ってますよ!!(笑)
まとめ
- Excelで単相関係数を求める場合はCORRELを使う。
- データ数が少ない場合は手で計算することもある程度可能だが、データ数が増えると単相関係数などの複雑な計算の場合はExcelの方が簡単に求められる。
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- 正規分布の95%予言的中区間と例題
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- 1つの母集団からn個のデータを観測して標本平均を作ると、nが大きいほど標本平均は母平均に近い数値をとる可能性が高くなります。
- 正規分布している母集団からの標本平均における95%予言的中区間
- 母集団が正規分布している場合は、そこから標本平均を作った場合も正規分布します。正規分布している母集団からの標本平均における95%予言的中区間はμ−1.96σ/√n〜μ+1.96σ/√nです。
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- 観測データから母集団の母平均μを推測する場合は、95$信頼区間を利用して、標本平均が予言の範囲に入るような母平均を持つ母集団のみ妥当なものとして残す
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- カイ二乗分布表の読み方と例題
- カイ二乗分布表は標準正規分布表とは異なり、横軸以上の面積が占める割合を表しています。カイ二乗分布表の読み方と例題をまとめてみました。
- Excelを用いたカイ二乗分布の横軸の出し方
- ExcelのCHISQ.INV.RT関数は、カイ二乗分布の右側の面積に該当する横軸を求められる関数です。CHISQ.INVはカイ二乗分布の左側の面積に該当する横軸を求められるのが違いです。
- 母分散をカイ二乗分布で推定する方法
- (標本−母平均)/母標準偏差を行うことで、標準正規分布に変換できます。つまりこの変換を行いカイ二乗分布をとることで、95%予言的中区間を利用することができます。
- (標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和はカイ二乗分布する
- (標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和は標本分散に比例するためカイ二乗分布をとります。ただし、自由度がn−1となります。
- (標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和の自由度が1下がる理由
- (標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和は元は2つだったデータが式変形することで1つに減るため、自由度が1下がったカイ二乗分布となります。
- 母平均が未知の正規母集団の区間推定の例題
- (標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和を出すことで母平均が未知の正規母集団を区間推定することが可能となります。それの例題となります。
- t分布と統計量Tとは?
- 統計量Tを出して、t分布がわかれば、未知の母平均を推定することができます。統計量T=(標本平均−母平均)×√(n−1)/標本標準偏差で求められます。
- t分布のヒストグラムと統計量Tの計算例題
- t分布のヒストグラムは正規分布に似たような山のようなグラフを描きます。t分布と正規分布の違いは、山のてっぺんと山の麓の高さが違います。
- t分布表の読み方
- t分布表の確率95%の数字を見て、そのプラスマイナスで挟まれる範囲の面積が95%となります。t分布は自由度が上がるにつれて正規分布に近づいていくため、自由度が∞の時の確率95%は標準正規分布と一緒の1.96となります。
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