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前回の正規分布している母集団からの標本平均における95%予言的中区間まででは、母集団からデータを取り出し推測する方法を見ました。今回は標本平均から母集団の母平均を推定する方法を見てみます。

イメージがわきにくいと思うので、今回は例題から見てみます。
打錠機を作成した。この機械はほぼ指示通りの重さに錠剤を作ることができるが、機械なので多少の誤差やキャッピング、ラミネーション、バインディング、スティッキングなどで不良品などが生じる。この機械から錠剤を作り、すべての重さのデータを母集団とする場合、正規母集団であり、母標準偏差が8gであることがわかっているとする。そして、16個錠剤を作ったら、その標本平均は20gだった。作られる錠剤の重さの母平均を95%信頼区間で推定せよ
まず鋭い方は20gの錠剤ってどんだけ重いんだよ!!ってツッコみたくなるでしょうが、あくまでも仮想の話ということで、計算をしやすくする関係上我慢してください(笑)
データから母集団を推定する方法でもやったように、妥当性を調べるには95%信頼区間を使って判断します。前回やりましたように、正規分布している母集団からの標本平均における95%予言的中区間は以下の式で表されました。
μ−1.96σ/√n〜μ+1.96σ/√n
この中に標本平均が入るかどうかという方法で判断したので不等式で表すと以下のようになります。
μ−1.96σ/√n≦標本平均≦μ+1.96σ/√n
これを移項して整理すると以下のようになります。
−1.96≦(標本平均−μ)/(σ/√n)≦+1.96
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では問題文を見ると以下のものがわかっています。
これらを代入すると、
−1.96≦(20−μ)/(8/√16)≦+1.96
−1.96≦(20−μ)/2≦+1.96
−3.92≦20−μ≦+3.92
16.08≦μ≦+23.92
これが母平均μの95%信頼区間となります。
このようにして、観測データから母集団の母平均μを推測する場合は、標本平均が予言の範囲に入るような母平均を持つ母集団のみ妥当なものとして残せばよいということになります。
今までの知識を総動員しなければ理解できないと思うので、わからない方はしっかりと復習して何度も見直してください。