母平均が未知の正規母集団の区間推定の例題

母平均が未知の正規母集団の区間推定の例題

(標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和を出すことで母平均が未知の正規母集団を区間推定することが可能となります。それの例題となります。

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母平均が未知の正規母集団の区間推定の例題

(標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和はカイ二乗分布するをやっていて、一部の人は「なぜ母平均ではなく、標本平均で引いた新たな統計量Wをやるのだろう」と思ったかもしれません。思い出してください、統計学の目標を。統計学はデータから母集団を推定する学問です。そのため母平均をすでに知っているのは若干不自然といえます。そのため、母平均ではなく標本平均を使うことで未知の正規母集団について推定することが可能になるのです。

 

 

というわけで、今回は母平均が未知の正規母集団の区間推定を例題でみていきたいと思います。

 

例題

ある錠剤の重さは正規母集団である。この正規母集団から5回データをとったところ、8g、9g、9g、10g、14gであったとする。母分散の95%信頼区間を求めよ

 

推定する母分散を含んだ統計量Wを観測した5個のデータより出すと、自由度が1個減った自由度4のカイ二乗分布となります。そしてその統計量が95%予言的中区間の中に入るものを採用するという方針で行います。1つずつ見ていきましょう。

 

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まず標本平均は(8+9+9+10+14)/5=10となります。

 

次に標本分散を出します。

 

{(−2)^2+(−1)^2+(−1)^2+(0)^2+(+4)^2}/5=4.4

 

そしてW=n×標本分散÷母分散に代入します。

 

W=5×4.4/母分散=22/母分散

 

この統計量Wは自由度が1下がった自由度4のカイ二乗分布となるのでした。自由度4のカイ二乗分布の95%予言的中区間はカイ二乗分布表は以下の表より0.484〜11.143となります。

 

 

この範囲に統計量Wが入ればよいので

 

0.484≦22/母分散≦11.143

 

1.97≦母分散≦45.45

 

よってこの錠剤の重さの母分散の95%信頼区間は1.97〜45.45となります。

 

もし必要であれば、√(ルート)をとることで母標準偏差も出せます。一応出すと、1.41〜6.74となります。

 

以上のことからまとめると

 

  1. 標本平均を出して、そこから標本分散を計算する。
  2. 標本分散にnをかけて、母分散で割ることで統計量Wを出す
  3. 自由度n−1の95%予言的中区間をカイ二乗分布表より出す。
  4. 95%予言的中区間の中に統計量Wが入るようにして、母分散の区間推定をする。(必要であれば母標準偏差の区間推定をする)

 

まとめ

  • (標本−標本平均)/母標準偏差の二乗の和を出すことで母平均が未知の正規母集団を区間推定することが可能となる。

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