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前回の有機化合物の命名法、アルデヒドでは、アルデヒドの命名法について見ました。今回はアルデヒドやケトンの反応について見ていきたいと思います。
アルデヒドやケトンは、電気陰性度が大きい酸素に電子をとられ気味なので、炭素部分はややプラスとなっています。そこを求核試薬が攻撃し求核付加反応が起こりやすいです。ちなみにアルデヒドとケトンではアルデヒドの方が求核試薬と反応しやすいです。これには大きく理由が2つあります。
1つ目はかさ高さです。アルデヒドは炭素の隣の炭素は水素だけですが、ケトンはアルキル基がついています。そのため求核試薬としてはアルデヒドの方が攻撃しやすいと言えます。
2つ目は電荷の差です。ケトンはアルキル基がついています。アルキル基は電子供与基です。そのため炭素のややプラスの部分に電子が送り込まれプラスの部分が打ち消され、求核試薬が攻撃しにくくなります。
なおアルデヒドやケトンに対して求核付加反応を起こす求核試薬の特徴として、攻撃原子の隣にHがついていることです。例えば、H2OやROHは求核試薬として働きますが、ROR、R3Nなどは求核試薬として働きません。
これを念頭に入れて、今回はアルデヒドやケトンの求核付加反応の例として以下の2つを見ていきます。
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アルデヒドやケトンに酸や塩基を触媒として、水を反応させるとヒドレートができます。
酸性条件では、まず酸素がプロトンを捕まえます。
次に水が炭素を攻撃して酸素に電子が入ります。
最後に、水のプロトンが外れてヒドレートとなります。
塩基性条件では、最初に塩基が炭素を攻撃して、酸素に電子が入ります。
次に水のHを酸素が捕まえて、ヒドレートとなります。
アルデヒドやケトンに酸や塩基を触媒として、アルコールを反応させるとヘミアセタールができます。この「ヘミ」とは半分と言う意味です。半分ということはまだその先があるということです。塩基性条件ではヘミアセタールで止まってしまいますが、酸性条件ではアセタールまで進みます。
反応機構のイメージとしては、先ほどの水の付加と同じような形で行われます。