Sponsored Link
前回のキラルとアキラル、光学活性と不斉炭素の関係ではキラルとアキラルについて見ました。今回はラセミ体とメソ体を見ていきます。
この紛らわしい系の語句はようやく今回でひと段落しますので、気合いれて頑張ってください(笑)
ラセミ体は、エナンチオマーの等量混合物を言います。エナンチオマーは鏡にものを映したときの実像と鏡像の関係でしたね。例えば、以下のようなものが等量の時ラセミ体となります。
メソ体は前回もやっているので、復習となります。不斉炭素があるけれども、分子内対称面を持つものでしたね。
ちなみにメソ体は前回光学不活性であると言いましたが、ラセミ体も分子間で消失するため光学不活性となります。
いつものように国家試験風の例題を見てみましょう。
Sponsored Link
Sponsored Link
次の問いの正誤を答えよ
問題文にややこしい系の語句をいっぱい混ぜて作りました(笑)問題文を見たときに、ギョッとせずにできたでしょうか?おそらく大丈夫だったと思いますが、1つずつみていきます。
×です。
ラセミ体はエナンチオマーの等量混合物です。エナンチオマーは鏡にものを映したときの実像と鏡像の関係でしたね。
一方でアキラルは不斉炭素があるけれども、分子内対称面を持つものでした。そのため、ラセミ体はアキラルではありません。
×です。
メソ体は不斉炭素があるけれども、分子内対称面を持つものでした。不斉炭素があるので、キラル中心はあります。
×です。
前問でも確認したように、メソ体は分子内対称面を持ち、分子内消去が起こるため光学活性は示しません。
×です。
2,3-ジブロモブタンはキラル中心を2つ持ち、以下の4つが考えられます。
これらのうち、左の2つは同一化合物で、しかもメソ体であるため光学不活性となります。右側の2つはメソ体でもないので光学活性体となります。よって光学活性体は2個となります。
色々とややこしい語句がたくさんあるのでしっかりと理解して引っかからないように気をつけましょう。