アルケンの反応4、アルデヒドやカルボン酸の作り方

アルケンの反応4、アルデヒドやカルボン酸の作り方

オゾン酸化でオゾニドを作り、その後ジメチルスルフィドを用いた場合、アルデヒドやケトンが得られます。過マンガン酸カリウム酸化は徹底的に酸化して酸性条件ではカルボン酸まで作ることができます。

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アルケンの反応4、アルデヒドやカルボン酸の作り方

前回のアルケンの反応3、アルコールの作り方では、アルケンからアルコールを選択的に作る方法を学びました。今回はアルケンからアルデヒド、ケトン、カルボン酸を作る方法を見ていきます。

 

 

オゾン酸化

オゾンといえばオゾン層が有名で紫外線から私たちを守ってくれています。そんなオゾンですが、3つの酸素原子が並んだ分子構造をしていて、真ん中の酸素がプラス、片方の酸素がマイナスの電荷を持っています。そして酸素を3つもつことからも想像しやすいように、オゾンは強力な酸化作用を持ちます。

 

アルケンのπ結合がオゾンを攻撃して反応が進むとオゾニドという五員環を作ります。

 

 

オゾニドは低温では安定であるため、この後更なる反応が必要となります。例えば、ジメチルスルフィドなどの還元剤を次に反応させると、オゾニドの酸素原子をジメチルスルフィドが攻撃して五員環が開裂します。最終的にジメチルスルフィドで還元した場合はアルデヒドやケトンができます。

 

 

今回はジメチルスルフィドを後処理として反応させましたが、この他にもNaBH4やLiAlH4で後処理をした場合はアルコール、過酸化水素で後処理した場合はケトンやカルボン酸になります。そのためオゾン酸化は色々と応用がききます。

 

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過マンガン酸カリウム酸化

アルコールを酸化させるとアルデヒド、アルデヒドを酸化させるとカルボン酸というのが一般的な反応です。先ほどのオゾン酸化はアルデヒド止まりでした。アルデヒドで止めずカルボン酸まで持っていきたい。そんな時に有効なのが過マンガン酸カリウム酸化です。

 

アルケンに過マンガン酸カリウムを反応させると、四酸化オスミウムと同じような反応が起こり、OHがsyn付加した1,2ジオールができます。この反応は特殊で、塩基性条件ではこの1,2ジオールで反応がとまります。

 

 

しかし、酸性条件下では1,2ジオールからさらに反応が進みケトンやカルボン酸となります。先ほどのオゾン酸化に対して過マンガン酸カリウムでの酸化は徹底的に酸化するイメージを持っておくとよいでしょう。このようにして、オゾン酸化と過マンガン酸カリウム酸化を使い分けすることで、アルデヒドやカルボン酸を選択的に作ることができます。

 

まとめ

  • オゾン酸化でオゾニドを作り、その後の後処理で様々な化合物を作ることができる。ジメチルスルフィドを用いた場合、アルデヒドが得られる。
  • 過マンガン酸カリウム酸化は徹底的に酸化して酸性条件ではカルボン酸まで作ることができる。

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