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前回のピリジンとピロール、ベンゼンとの反応性の違いまでは芳香族の求電子置換反応を見てきました。今回は求核置換反応の代表例としてsandmeyer(ザンドマイヤー)反応を見ていきます。
sandmeyer(ザンドマイヤー)反応の前にいくつか下準備です。まずは求核置換反応とベンゼンジアゾニウム塩について見ていきましょう。
求電子試薬は電子不足でしたが、逆に陰イオンや非共有電子対などで電子過剰のものを求核試薬と言います。求核試薬の例には、H-、HO-、NC-、H2O、NH3などがあります。
求核試薬は電子過剰であるため、今度は電子不足のものと反応しやすく、これを求核置換反応と呼びます。求核置換反応のイメージとしては求電子置換反応の逆ですね。
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sandmeyer(ザンドマイヤー)反応ではベンゼンジアゾニウム塩が使われます。詳細は割愛しますが、ベンゼンジアゾニウム塩は以下のように作られます。
まずHNO3とH2SO4でニトロ化して、ニトロベンゼンを作ります。
次に、SnとHClでニトロベンゼンを還元すると、アニリンができます。
最後にNaNO2とHClでアニリンをジアゾ化すると、ベンゼンジアゾニウム塩ができます。ベンゼンジアゾニウム塩は窒素が離脱しやすいです。
このベンゼンジアゾニウム塩を使い、sandmeyer(ザンドマイヤー)反応が行われます。
先ほどのベンゼンジアゾニウム塩に求核試薬が攻撃して、代わりに窒素が抜けます。特に銅塩(例えば、CuCl、CuBr、CuCNなど)による求核置換反応をsandmeyer(ザンドマイヤー)反応と言います。「ど」うえんと、ザン「ド」マイヤーと「ド」つながりで意識すると覚えやすいかもしれません。
銅塩以外の求核試薬の代表例には、以下のようなものがあります。
sandmeyer(ザンドマイヤー)反応を用いることで、様々な置換基をベンゼンに導入することができるため、とても有用な反応です。