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前回の共鳴構造の基本の考え方では共鳴について見ました。今回はガラッと変わって異性体について見ていきます。この異性体についても、正しく理解しないと国家試験では得点できないのでしっかり学びましょう。
まず異性体は同じ分子式を持っているけれども構造が一致しないものを言います。例えば、C4H10を持つ構造式はどのようなものがあるでしょうか?
多くの人は、シンプルな直線構造を持つブタンを思い浮かべたと思います。しかし、一方でひねくれた人?は枝分かれ構造をもった、2-メチルプロパンを考えたことでしょう(笑)このようなものを異性体の中でも構造異性体と呼びます。
例題を見てみましょう。
C3H6で表される構造式で考えられる構造式を書け
まずCnH2nとなっているので、アルケンを書くことができます。プロペンですね。
もう1つCnH2nで考えられる構造があります。シクロアルカンです。三角形のシクロプロパンですね。
これら2つが答えとなります。
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先ほどの構造異性体とは違い、分子内の原子どうしのつながりは一緒だけれども原子の空間配置が異なるものを立体異性体と言います。立体異性体にはエナンチオマーやジアステレオマーがあります。まずエナンチオマーについて確認します。
エナンチオマーとは鏡像異性体とも呼ばれ、いわゆる鏡にものを映したときの実像と鏡像の関係です。例えば次の化合物を鏡を映したときには以下の鏡像ができます。上の水素原子を固定してグルっと回転させて形を合わせようとしても、実像と鏡像は重ね合わせることができません。よって異性体となります。エナンチオマーは沸点、融点、溶媒に対する溶解度などは同じなので、原則蒸留や再結晶で分離することはできません。
ジアステレオマーはエナンチオマー以外の立体異性体を言います。
例題をまた見てみましょう。
次の化合物のエナンチオマーをかけ
特になんということはないと思います。鏡像となるように書けばいいだけなので以下のものが答えです。