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前回の芳香族の反応2、Friedel-Crafts(フリーデルクラフツ)反応ではFriedel-Crafts(フリーデルクラフツ)反応について見ました。今回はオルト、パラ(o、p)配向性、メタ(m)配向性について見ていきたいと思います。
前回のFriedel-Crafts(フリーデルクラフツ)反応アルキル化では、複数個のアルキル基が導入される可能性があるという話をしました。
この反応のようにベンゼンに置換基がついていて、さらに求電子置換反応で別の置換基がつく時、初めの置換基から近い順にオルト(o)、メタ(m)、パラ(p)と言います。
オルト(o)、メタ(m)、パラ(p)のどこにつくかというのはおおむね決まっていて、以下の2つに分けられます。
これを決めるのに大きく関わるのが、初めの置換基です。まず結論です。
ではそれぞれについて見ていきます。
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電子供与基は基本的にベンゼンに電子を与えてベンゼンの電子をより豊富にします。前回のFriedel-Crafts(フリーデルクラフツ)反応アルキル化のように、メチル基の例を見てみましょう。求電子置換反応でできたカルボカチオンを考えたときに、オルト、パラ(o、p)を攻撃した場合は第三級カルボカチオンができます。
それに対してメタ(m)を攻撃した場合は第二級カルボカチオンとなります。
第三級カルボカチオンの方が安定ですから、オルト、パラ(o、p)配向性となります。
ハロゲンは電気陰性度が大きいので、電子を与えもするけど、引っ張りもする変わった置換基です。ハロゲンの例としてClを見てみましょう。オルト、パラ(o、p)を攻撃した場合は共鳴構造4つ書くことができます。
それに対してメタ(m)を攻撃した場合は共鳴構造を3つ書くことができます。
共鳴構造をより多く書ける方が安定となるので、オルト、パラ(o、p)配向性となります。
不飽和結合やカチオンは自身に電子を引っ張ろうとする作用が強いです。不飽和結合の例としてNO2を見てみましょう。オルト、パラ(o、p)を攻撃した場合は共鳴構造のうちの1つの構造はプラス同士が隣り合う構造をとり、これはとても不安定です。
それに対してメタ(m)を攻撃した場合の共鳴構造は先ほどのようなプラスが隣り合う構造はありません。
よって不安定な共鳴をしないメタ(m)配向性となります。