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前回のアルキンの反応1、アルキル化反応では、アルキンのアルキル化について見てきました。今回はアルキンの水素化について見ていきたいと思います。アルキンを水素化する方法は大きく以下の3つになります。
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アルケンの接触水素化と同じ条件でアルキンを反応させると、水素化が起こります。アルケンではsyn付加したアルカンが得られましたので、アルキンもアルケンになるかと思いきやそうもいきません。この反応では、アルケンで止めることができず、アルカンまで進んでしまいます。
そこで出てくるのが、次のLindlar(リンドラー)触媒による接触水素化やBirch(バーチ)還元です。
Lindlar(リンドラー)触媒は、炭酸カルシウムに担持したパラジウムを酢酸鉛で処理した触媒を言います。アルキンにLindlar(リンドラー)触媒を用いて、接触水素化することでアルケンで止めることができます。
なお、Lindlar(リンドラー)触媒による接触水素化はsyn付加が起こり、シス体のアルケンが得られます。おそらく、アルケンの接触水素化がsyn付加することをおさえていれば、似た触媒を使うLindlar(リンドラー)触媒がシス体のものができるのは、簡単に紐づけられると思います。
Birch(バーチ)還元は、アルキンを液体アンモニア中、ナトリウムと反応させる還元法です。もう勘のいい方は気づいているかと思いますが、Birch(バーチ)還元ではトランス体のアルケンが得られます。
Birch(バーチ)還元はさきほどのLindlar(リンドラー)触媒による接触水素化をおさえていれば消去法でトランス体のアルケンが得られることは覚えられると思います。
これらの水素化を使うことで、アルキンからシス体のアルケンやトランス体のアルケンを作ったり、さらに反応を進めてアルカンまで作ったりと、作り分けが可能となります。