芳香族の求電子置換反応、ニトロ化、スルホン化、ハロゲン化

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芳香族の反応1、求電子置換反応、ニトロ化、スルホン化、ハロゲン化

前回のアルキンの反応2、Lindlar(リンドラー)触媒による接触水素化とBirch(バーチ)還元では、アルキンの水素化についてみてきました。今回は芳香族の置換反応について見ていきたいと思います。

 

 

芳香族と言えば、なんと言ってもベンゼン!!ベンゼンを書けば書くほど、しょぼんとした顔に見えてしまいます。なんとも言えない顔で癒されます。これは誰もが通る道だと思います。私の大学にはベンゼンに足を生やしたベンゼン君?が至る所に落書きされていたのを思い出します(笑)皆さんの大学にもベンゼン君はいるでしょうか?

 

では本題に戻ります(笑)

 

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芳香族の求電子置換反応

今回の反応に関わる+NO2、SO3、FeBr3など陽イオンや空軌道を持つものが電子不足です。そのため電子を求めています。このようなものを求電子試薬と呼びます。求電子試薬は電子を求めているため、電子が豊富な二重結合などと反応が起こりやすいです。

 

 

そしてベンゼン環を代表とする芳香族は、sp2混成軌道で作られており、π電子が共鳴により非局在化しています。今回の求電子置換反応は、ベンゼンのπ結合が求電子試薬を攻撃して付加します。次に水素が離脱し、全体でみると求電子試薬が水素に置き換わる形(置換反応)で行われています。

 

では、このイメージをもって芳香族の求電子置換反応であるニトロ化、スルホン化、ハロゲン化を見ていきましょう。

 

ニトロ化

ベンゼンに、濃硝酸-濃硫酸混液を反応させるとニトロ化が起こり、ニトロベンゼンができます。先ほどの説明のように、+NO2(ニトロニウムイオン)が求電子試薬として働き求電子置換反応が起こります。

 

 

スルホン化

ベンゼンに発煙硫酸を反応させるとスルホン化が起こり、ベンゼンスルホン酸ができます。こちらはSO3(三酸化硫黄)が求電子試薬として働き求電子置換反応が起こります。

 

ハロゲン化

ベンゼンにFeCl3存在下で塩素、FeBr3存在下で臭素を反応させるとハロゲン化が起こり、クロロベンゼン、ブロモベンゼンができます。

 

この反応はFeの空軌道にBr2の片方の電子を受け取ることでBr+を作り求電子試薬として働くことで、求電子置換反応が起こります。

 

 

まとめ

  • ベンゼン環はsp2混成軌道でできていて、π電子が共鳴により非局在化している。
  • 陽イオンや空軌道などがあり電子不足のものを求電子試薬と呼ぶ。
  • 芳香族の求電子置換反応は、求電子試薬が付加して、その後水素が離脱する反応が起こる。

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キラルとアキラル、光学活性と不斉炭素の関係
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アルケンの反応1、syn付加とanti付加
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電子求引基と電子供与基、カルボカチオンとカルボアニオンの安定性
カルボカチオンは電子供与基がつくと安定化し、電子求引基がつくと不安定となります。カルボアニオンは電子求引基がつくと不安定化し、電子求引基がつくと安定化します。
アルケンの反応2、マルコフニコフ則とカルボカチオン
アルケンにHXが結合する時にHは水素が多く結合している炭素にくっつくことをマルコフニコフ則と言います。逆マルコフニコフ則ではHは水素が少ない方に結合します。
アルケンの反応3、アルコールの作り方
アルケンのヒドロホウ素化-酸化ではsyn付加かつ逆マルコフニコフ則でアルコールが作れます。オキシ水銀化-還元法ではanti付加かつマルコフニコフ則でアルコールが作れます。
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オゾン酸化でオゾニドを作り、その後ジメチルスルフィドを用いた場合、アルデヒドやケトンが得られます。過マンガン酸カリウム酸化は徹底的に酸化して酸性条件ではカルボン酸まで作ることができます。
ブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加
ブタ-1,3-ジエンはs-trans配座の方が安定です。ブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加はマルコフニコフ則や共鳴などにより2つの可能性があり、温度によって生成物が異なります。
アルケンの反応5、Diels-Alder(ディールズアルダー)反応
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アルキンの反応1、アルキル化反応
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アルキンの反応2、Lindlar(リンドラー)触媒による接触水素化とBirch(バーチ)還元
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芳香族の反応2、Friedel-Crafts(フリーデルクラフツ)反応
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ハロゲン化アルキル、SN1反応とSN2反応
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E1反応の律速段階は反応基質にのみ依存し第三級カルボカチオンの方がE1反応が起こりやすいです。E2反応の律速段階は反応基質と試薬の2つに依存し、saytzeff(ザイチェフ)則に従い、かつanti脱離で反応が起こります。
酸性度と共役塩基
共役塩基が安定であるほど酸性度は高くなります。一般的に酸性度の強さは無機酸>ピクリン酸>カルボン酸>炭酸>フェノール>チオール>水>アルコールとなります。

 
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