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前回のケトンやアルデヒドの反応3、aldol(アルドール)反応とMichael(マイケル)付加反応に続き、今回もα位の別の反応を見ていきます。今回見ていくのは以下の反応です。
アルデヒドやケトンはハロゲン化することができますが、酸性条件か塩基性条件によって生成物が異なってきます。
アルデヒドやケトンに酸性条件でハロゲンと反応させると、α位にハロゲンが1つ導入されます。
まず酸性条件なのでエノールができます。そして、エノールが求核試薬としてハロゲンを攻撃して完成します。
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先ほどの酸性ではハロゲンが1つ導入されましたが、塩基性条件ではα位にハロゲンが3つ導入されます。
まず塩基性条件なのでエノラートイオンができます。そして、エノラートイオンが求核試薬としてハロゲンを攻撃してハロゲンが導入されます。電気陰性度が大きいハロゲンがつくことによって酸性度が高くなり更なる反応が起こります。その結果、同じ反応が繰り返されてハロゲンが3つ導入されます。
これでこの反応が終わりかと思いきや、まだ反応は続きます。今度は水酸化物イオンがカルボニル基を攻撃します。
さらにハロゲン部分が抜け、カルボン酸塩とトリハロメタンができます。トリハロメタンはハロホルムとも呼ばれ、この反応をハロホルム反応と呼びます。ハロホルム反応と言われるとピンときませんが、ハロゲンがヨウ素だったらピンとくる人がいるかもしれません。そう、実はヨウ素の場合はヨードホルム反応です。高校の時にやりましたよね???(笑)
一応簡単に復習しておくと、ヨードホルム反応はメチルケトン基を持つものに先ほどのハロホルム反応させることで、ヨードホルムができるという反応でした。ヨードホルムは黄色く、病院のような臭いがします。あの独特な香り、好きな人は好きですよね(笑)
ケトンやアルデヒドに塩基条件でハロゲン化アルキルに反応させるとα位にアルキル基を導入できます。
まず塩基性条件なのでエノラートイオンができます。エノラートイオンがハロゲン化アルキルにSN2反応をすることで、α位がアルキル化されます。