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前回のブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加では、ブタ-1,3-ジエンについて見てきました。今回はブタ-1,3-ジエンが主に関わるDiels-Alder(ディールズアルダー)反応について見ていきたいと思います。
Diels-Alder(ディールズアルダー)反応は、ブタ-1,3-ジエンなどの共役ジエンとアルケンとの間で起こる環化反応です。
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前回ブタ-1,3-ジエンは、s-cis配座とs-trans配座がありs-trans配座の方が安定であるという話をしました。安定であるということは、そのままの状態でいたいわけですから反応は起こりにくいわけです。よって、Diels-Alder(ディールズアルダー)反応に関わる共役ジエンは不安定で、反応が起こりやすいs-cis配座の方が適しているわけです。
一方のアルケンはCOOHなどの電子求引基などがついているものだと反応が進みやすいです。
これらの共役ジエンとアルケンが加熱条件のもとにDiels-Alder(ディールズアルダー)反応が起こると、それぞれのπ結合が環状構造を作るように攻撃します。その結果シクロヘキセンができます。例えば、ブタ-1,3-ジエンとマレイン酸のDiels-Alder(ディールズアルダー)反応では以下のようになります。
先ほどのDiels-Alder(ディールズアルダー)反応では、共役ジエンはブタ-1,3-ジエンを例に見てきました。共役ジエンはもちろん他にもあり、今度はシクロペンタ-1,3-ジエンとマレイン酸のDiels-Alder(ディールズアルダー)反応を見てみます。
先ほどと同様にπ結合が攻撃しますが、最初の時点でマレイン酸のCOOHが右に向いているか、左に向いているかで2つの反応物ができる可能性があります。今回の例でいくと、COOHが右側にあり反応物の架橋構造とCOOHが同じ側にあるものをエキソ付加、COOHが左側にあり反応物の架橋構造とCOOHが反対側にあるものをエンド付加と呼びます。
Diels-Alder(ディールズアルダー)反応ではエンド付加の化合物が優先的に作られ、これをエンド則と呼びます。エンド則が起こる理由の詳細はまだ明らかになっていません。