ブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加

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ブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加

前回のアルケンの反応4、アルデヒドやカルボン酸の作り方ではアルデヒドやカルボン酸の作り方を見ました。今回も次のアルケンの反応を見たいところですが、前段階としてブタ-1,3-ジエンの安定性について見ていきたいと思います。

 

 

ブタ-1,3-ジエン

まずアルケンの命名法の復習となってしまいますが、ブタ-1,3-ジエンの構造式を書くことができるでしょうか?母体はブタンで、1と3に二重結合がある構造です。紙の上では直線に書くことができますが、真ん中の結合を軸に回転することができるため、s-trans配座とs-cis配座という2つの構造が考えられます。これらのうちどちらが安定でしょうか?

 

 

答えはs-trans配座の方が安定です。s-cis配座は見ての通りかさ高いため混雑しています。それに対して、s-trans配座はお互いに反対を向いているので混雑していないため安定となります。

 

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ブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加

次にブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素(ここではHClを例に)を見てみましょう。こちらも復習となりますが、アルケンへのハロゲン化水素の付加です。まずπ結合がHを攻撃して、塩素はマイナスとなります。

 

 

Hのくっつく先は1位と2位どちらでしょう?マルコフニコフ則に従い1位にHがくっつくというのがスタンダードな考え方です。しかし、もう一歩踏み込んで見てみると、Hが2位にくっついた場合は1位がプラスとなり共鳴することができません。それに対して、1位にくっついた場合は2位がプラスとなり共鳴することができます。このことからも1位に水素がくっつき2位がプラスをとる方がよいことになります。

 

 

その後Clが2位にくっつき3-ブロモブタ-1-エンができます。

 

先ほど共鳴というワードが出てきましたが、共鳴が起きた場合は4位の炭素がプラスとなります。それにClがくっつくと今度は1-ブロモブタ-2-エンという化合物ができる可能性もあります。これはどのように作り分ければよいでしょうか?

 

 

これは温度によって作り分けができます。低温条件では、活性化エネルギーの小さな3-ブロモブタ-1-エンができます。つまり何も熱をかけていないからそのまま反応が進むイメージです。逆に高温条件下では1-ブロモブタ-2-エンができます。熱をかけた分移動が起こるイメージです。

 

最終的な生成物を見ても、1-ブロモブタ-2-エンの方が多置換アルケンであり熱力学的に安定となります。手間ひまかけてじっくり煮込んだ料理がおいしいのと同じように、手間ひまかけて作った化合物の方が安定するのです(笑)

 

まとめ

  • ブタ-1,3-ジエンはs-trans配座の方が安定。
  • ブタ-1,3-ジエンへのハロゲン化水素の付加は温度によって生成物が異なる。

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