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栄養はあればあるぶんだけ、いいと思うかもしれませんが、患者の病態によっては栄養を減らさないと逆に害になってしまうケースもあります。今回は病態別経静脈栄養の基本を見ていきたいと思います。
経静脈栄養の考え方は割とシンプルで以下の手順で考えるとわかりやすいです。
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まず患者が健康だった場合を想定して輸液を組みます。考えるうえで重要なのが、栄養量と水分量とアミノ酸量です。
栄養量を考えるうえではハリス-ベネディクトの式(Harris-Benedict Equation、HBE)があります。
ハリス-ベネディクトの式(Harris-Benedict Equation、HBE)によって、基礎エネルギー消費量が求められます。この基礎エネルギー消費量に活動係数やストレス係数をかけることで必要エネルギー量を計算できます。
活動係数は、どれくらい活動しているかを表し、
などがあります。
ストレス係数は患者がどのような状況におかれているのかによって変わります。例えば
などがあります。
このハリス-ベネディクトの式(Harris-Benedict Equation、HBE)などを使って栄養量を計算してもいいのですが、そのあとに使う活動係数やストレス係数が主観によって変わってきます。
例えばある患者さんのストレス係数を薬剤師Aさんではストレス係数が軽度と思っているのが、薬剤師Bさんでは中等度と思っていたりなど誤差が生じます。
そのため細かく計算せずに、ざっくりと計算して実際に投与、患者をモニタリングして修正するという流れの方が重要です。そのため簡易的な
の方が個人的には役立ちます。何より次の水分量と同じなので覚えやすいです。
水分量も基本的には栄養量と同じ分だけ入れればいいです。(体重kg×30mL/日)
アミノ酸量は基本的には体重kgをgに置き換えればだいたいの数字となります。
ただ高齢者は一般的な成人と比べて効率的にタンパク質を生成できなかったりするので、補正したりする必要があります。またリハビリ患者も、より多くのアミノ酸を投与することが必要です。
まずはじめに病態別栄養の代表例を先に見ます。
病態別栄養で特に注意したいのがタンパクです。透析前の患者ではタンパクを減らし、それ以外は増やすか横ばいかと覚えておくと覚えやすいです。
輸液などを組み立てた時に、組み立てて終わりではなく、その後患者がどうなったかを観察することはとても重要です。輸液を組み立てて投与した後、体重、筋力、社会参加、血糖値、窒素代謝産物、脱水などがどうなっているかをモニタリングして、そこを修正してまた新たに栄養管理を組み立てていくというプロセスを繰り返していくことになります。