抗がん剤調製の基本。薬液量の確認と希釈

抗がん剤調製の基本。薬液量の確認と希釈

抗がん剤の薬液量の確認は、まずエアーを抜いて、シリンジ内に満たします。その上で目盛を確認します。この際、どこまで抗がん剤を満たすかによって、希釈時の作業が変わるため注意が必要です。

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抗がん剤調製の基本。薬液量の確認と希釈

前ページ、抗がん剤調製の基本。バイアルに、針を刺したら、押すな引け。では抗がん剤を必要量取るところまで確認しました。今回は、採取後の確認と、希釈をみていきます。

 

 

薬液量の確認

バイアルから必要量を正しく取れているかの確認をします。手技が慣れないうちは、バイアルから針を抜き取るときに、思いのほか余分に抜き取ってしまっていることがあります。

 

バイアルから針を抜いた後は、エアーを抜きます。シリンジ内にエアーがあると、その分誤差になるからです。

 

エアーを抜くには、最初にプランジャーを引きます。プランジャーを引くことで、針先に溜まっている抗がん剤をシリンジ内に落とすイメージです。プランジャーを引かずに、そのまま後の作業を行ってしまうと、針先に溜まっている抗がん剤が飛び出る危険性があります。

 

プランジャーを引いた後は、細かい気泡を取り除くため、シリンジを外側から叩いて取り除くようにします。

 

 

細かい気泡が取り除けたら、プランジャーをゆっくり押して、シリンジ内にエアーが無いように抗がん剤を満たしていきます。抗がん剤を満たす際には、以下の2つにわかれます。

 

  • シリンジ内+針先まで満たす。
  • シリンジ内のみ満たす。

 

 

どちらかを選ぶかによって、後の作業が変わってきます。私はシリンジのみ満たしていますが、やりやすい方法で良いと思います。

 

シリンジに抗がん剤を満たしたら、目盛を確認して、採取するべき量が正しく取れているかを確認します。ちなみに図のゴム栓部分に目盛を合わせます。

 

 

薬液の希釈

だいたいの抗がん剤は、何かしらの希釈液で希釈することが多いです。

 

先ほどの手順でシリンジ内に正しい量を採取したら、次は希釈液に注入します。輸液バックにまっすぐ針を刺した後注入しますが、先ほどの過程でどこまで抗がん剤を満たしたかによって注入方法が変わります。

 

シリンジ内+針先まで満たした場合

この場合は、輸液バックにワンプッシュで注入します。フラッシュしてしまうと、針先に満たされた薬液が入ってしまい、その分が誤差となってしまうためです。

 

シリンジ内のみ満たした場合

この場合は、輸液バックに注入後、フラッシュが必要です。ワンプッシュで入れてしまうと、シリンジ内にまだ薬液が残っている可能性があり、その分誤差となってしまうためです。

 

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注入後は、適宜輸液バックからエアーを抜いて、針を抜き取ります。その後、泡立ちなどに気を付けながら転倒混和します。

 

シリンジで注入する抗がん剤の場合

シリンジの薬液量を確認した後、搬送時の薬液漏れを防ぐためにシリンジ内にエアーをいれます。そして針を外し、ルアーロックチップキャップでしっかりロックします。

 

まとめ

  • 採取量の確認のため、エアーを抜き、抗がん剤を満たし、目盛を確認する。
  • どこまで抗がん剤を満たしたかによって、希釈時の作業が変わるため注意。

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