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抗がん剤の調製を実習先でやらせてもらえる施設もあるかと思います。OSCE(オスキー)で無菌調製の練習をしてきたかとは思いますが、実践となると緊張するかもしれません。抗がん剤は高額なものがあり、失敗すると経済的に損失を与えます。また毒性も強いので、間違えると自分も被ばくする可能性があります。
今回は、抗がん剤の調製方法(ミキシング)の作業準備の基本です。各施設でやり方が違うことや、私独自のやり方なども含むため、この記事の内容が必ずしも正しいとは限りません。ですので臨機応変にやってください。
おおまかに混ぜる前までに以下の手順になります。
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ガウン、手袋、キャップ、シリンジ、注射針、針捨てボックス、アルコール綿など調製するために必要なものを準備しておきましょう。ガウンを着てから、忘れ物に気づくと、再び脱いだりすることになるので面倒です。あと個人的には調整前はトイレに行っておくのをオススメします。脱ぐのも面倒ですし、調製件数が多い時には色々な意味でプレッシャーがすごいので(笑)
手洗いは、OSCE(オスキー)で修行したと思うので割愛します。
おおまかに以下の流れになります。手袋は無菌の状態にするのがポイントです。
キャップの装着時には髪の毛をすべてキャップの中に入れるように注意します。
ガウンは、ディスポーザブル製品で、背開き、長袖、袖口が絞ってあるものを選びます。また、前面と両腕に薬剤不透過性処理がされているものを選びます。ガウンの着方としては、袖を通して、襟元、腰の順番につけるとスムーズに着られると思います。ガウンを着ると、かなり暑いので、暑い季節は冷房が必需品です。
手袋は安全性のため、二重に着けます。このとき、一重目の手袋は、付けた後、ガウンの手首の部分が上に覆うようにします。その上から、二重目の滅菌手袋をガウンの手首を覆うように着けます。皮膚(手首)→手袋(一重目)→ガウン→滅菌手袋(二重目)といったイメージです。
滅菌手袋は、包装紙を開き、手袋の折り返しになっている内側(着けたとき、ガウンと触れる側)の輪っか部分を着けない側の手で取り、着ける側の手に着けます。もう片方は、折り返しの中(着けたとき、外界と接する側)に滅菌手袋を着けた手を入れて、取るようにし、もう片方の手に着けます。
手袋は、薬剤からの被ばくを守るために着けています。薬剤の透過性は、時間が経つごとに増えてくるため、一定時間での交換が推奨されます。もちろん、破れた場合や抗がん剤をこぼしてしまった時などもすぐ交換します。
調製は安全キャビネットで行います。安全キャビネットはエアーバリアがあるため、微生物の混入と、調製者の抗がん剤暴露を防ぐことができます。
安全キャビネットの準備はおおまかに以下のようになります。
安全キャビネットを拭くときは、消毒が目的であるため、奥から手前に拭きます。
抗がん剤を調製するのに必要なシリンジの準備をします。シリンジはルアーロックタイプシリンジにし、採取する薬液量の約75%を超えないくらいの用量のシリンジを選びます。容量がギリギリすぎると、夢中でプランジャーを引いたときにすっぽ抜ける危険性があります。すっぽ抜けると、手袋の上ですが、大量の抗がん剤が降りかかるので非常に危険です。今まで私はやったことありませんが、先輩が過去にやったことがあると言っていました。
シリンジに余裕を持たせることの重要性を言いましたが、シリンジが大きすぎると、今度は採取量に誤差が生じてしまうので適切なサイズを選ぶことが重要になります。
次に注射針の選択です。採取する薬液量が多い場合や粘稠度が高い薬の場合は18ゲージが良いようですが、基本的には私は18ゲージを選びます。泡立ちやすいものだったり、抗がん剤が漏れ出てきやすいものなどは22ゲージを選ぶようにしています。このあたりは実際に調製していると、なんとなくわかってくるようになります。
シリンジと注射針を準備したら、開封します。シリンジを汚染しないよう、筒の先端部分と反対側から開封します。注射針も同様に、先端の反対側から開封し、シリンジと接続します。
抗がん剤調製を安全かつ確実に行うために、適切な準備を行う。