食事に影響を与える薬

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食事に影響を与える薬

栄養摂取する方法としては経口摂取が普通です。しかし高齢者などでは食事を経口摂取することが難しくなってきます。今回は栄養と嚥下機能についてみていきたいと思います。

 

 

食べるということ

冒頭でもお話ししたように、普通の人であれば食事は問題なくできます。当たり前のようにやっていますが、食べるという動作を行うには、食欲、体力、嚥下などに異常がないことが重要です。

 

これらに異常を与えるものには、加齢、低栄養、疾患などがありますが、薬剤師として知っておきたいのが薬の副作用などによる薬剤性による影響です。

 

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嚥下機能と唾液

食事を当たり前のように嚥下していますが、嚥下をするには以下のようなステップを踏んでいます。

 

 

  1. 先行期;食べ物と認知する期間
  2. 準備期;食べ物をつかんで口に入れて咀嚼を始める期間
  3. 口腔期;食べ物を咀嚼して塊を作り舌のに乗っける期間
  4. 咽頭期;口腔期で作った食べ物の塊を咽頭に入れる期間
  5. 食道期;咽頭から送られてきた食べ物が食道に入る期間

 

先行期〜準備期は食欲が大きな影響を与えます。また、準備期〜口腔期は体力が大きな影響を与えます。最後に、口腔期〜食道期は嚥下する力が大きな影響を与えます。

 

また食べるのに地味に重要なのが唾液です。唾液はアミラーゼにより消化するイメージが強いですが、口の中を潤して口腔内の清潔にも関わります。

 

唾液はそれだけでなく、咀嚼して食べ物の塊を作る時につなぎの役割も果たし嚥下に関わったり、食べ物の味の成分が唾液に溶け出すことで味覚にも関わります。

 

つまり唾液が少なくなると食欲低下や嚥下機能低下を引き起こします。

 

食事に影響を与える薬剤

先ほどの食事の嚥下に影響を与える代表的な薬には以下のようなものがあります。

 

 

  • 中枢抑制作用(抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン薬);先行期〜咽頭期に影響
  • 嚥下反射低下(ベンゾジアゼピン系);咽頭期に影響
  • 食道潰瘍(NSAIDs、抗悪性腫瘍薬);食道期に影響
  • 味覚障害(抗悪性腫瘍薬、抗菌薬、抗リウマチ薬、抗ヒスタミン薬);先行期〜準備期に影響
  • 錐体外路障害(抗精神病薬、消化管運動促進薬);準備期〜口腔期に影響
  • 口腔乾燥(抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、利尿薬);準備期〜咽頭期に影響

 

食事がうまくとれていない患者がいた時、薬剤師としてこれらの薬の副作用が影響を与えていないか考えることが重要です。

 

まとめ

  • 唾液は消化だけでなく、食欲や味覚にも関わる。
  • 患者が食事をとれていない時は、薬剤師は薬の副作用などの影響を考える必要がある。

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