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前回のグリコーゲンの合成と分解ではグリコーゲンについて見ました。グリコーゲン以外の血糖を回復させる方法には他にもあり、それが糖新生です。今回は糖新生を見ていきます。
冒頭でも言ったように、糖新生は糖質の補給が不足した時に、乳酸、糖原性アミノ酸、グリセロールなどからグルコースが作られることを言います。糖新生は筋肉や脳では起こらず肝臓などで糖新生されたグルコースが運ばれて使われます。
糖新生は基本的に解糖系やクエン酸回路などの一部が逆走してグルコースが作られ、大きく2つのスタート地点があります。
ではまず、乳酸、糖原性アミノ酸から見ていきます。
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乳酸や糖原性アミノ酸はピルビン酸が作られ、ミトコンドリアに入ります。そしてオキサロ酢酸→リンゴ酸→ミトコンドリア出る→リンゴ酸→オキサロ酢酸→2ホスホエノールピルビン酸→グリセルアルデヒド3-リン酸→フルクトース1,6-ビスリン酸→フルクトース6-リン酸→グルコース6-リン酸→グルコースという流れで糖新生が行われます。
ところで、解糖系では2ホスホエノールピルビン酸からピルビン酸が作られましたが、糖新生ではぐるっと大回りすることで、ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸となっています。これはなぜでしょうか?これは2ホスホエノールピルビン酸からピルビン酸が不可逆的反応のため、ピルビン酸から2ホスホエノールピルビン酸に戻ることができないからです。そのため大回りする必要があります。
なおピルビン酸→オキサロ酢酸の反応は炭酸固定反応と呼ばれ、ピルビン酸カルボキシラーゼとビオチンによって、炭素数3のピルビン酸にCO2が反応して炭素数4のオキサロ酢酸になります。こちらも糖新生に重要な反応なので、しっかりと押さえておきましょう。
グリセロールからはジヒドロキシセトン-リン酸→グリセルアルデヒド3-リン酸→フルクトース1,6-ビスリン酸→フルクトース6-リン酸→グルコース6-リン酸→グルコースという流れで糖新生が行われ、こっちは変に大回りしたりはしません。