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血糖値という言葉を聞くと、糖尿病を思い浮かべるかと思います。今回は血糖値について学びます。
まずどのようにして糖分が吸収されていくかです。
口から食べたごはんは、様々な酵素によって、ブドウ糖(グルコース)などにまで分解されます。ブドウ糖(グルコース)は、小腸から体内へと吸収され血流にのります。
ブドウ糖(グルコース)が血流にのると、血管にはブドウ糖(グルコース)があふれている状態で、これがいわゆる高血糖状態です。逆に不足していれば低血糖状態です。血管にいるブドウ糖(グルコース)は、膵臓からでるインスリンによって、各臓器の細胞内に取り込まれます。特にブドウ糖(グルコース)は肝臓と筋肉などによく取り込まれます。
肝臓では、取り込んだブドウ糖(グルコース)をたくさんつなげてグリコーゲンを作ります。グリコーゲンは貯金のようなもので、いざという時のための非常食になります。
逆に筋肉では取り込んだブドウ糖(グルコース)をエネルギー源として使います。
このようにして血管内にグルコース(ブドウ糖)があふれることなく調節され、血糖値は70〜140mg/dlに保たれます。
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低血糖と聞くと、糖尿病の患者さんの糖尿病薬(インスリンなど)が効きすぎてしまったときにに起こるイメージがあるかと思います。だいたい70mg/dl以下だと低血糖の症状が起こる可能性が出てきます。患者さんによって自覚して訴えてくるケースもありますし、血糖値を測定していて気づくケースもあります。患者さんの中にはどのような症状が低血糖の症状なのかわかっていない人もいるので注意が必要です。いい意味でも悪い意味でも、低血糖を経験している患者さんであれば、感覚が身についているので、ある程度は安心できます。
低血糖の症状として以下のような症状があります。もちろん、個人差があるのですべての患者がこの通りに症状がでるわけではありません。
30mg/dl以下となると、患者さんが訴えることができなくなるおそれが高いので、それより前の初期症状を伝えておき、対処するのが理想です。
低血糖は緊急事態なので、身近にある甘いものを取らせましょう。ブドウ糖を取ることができれば理想です。ブドウ糖を10gもしくは、清涼飲料水100mlを経口摂取します。もし意識障害などで経口不可の場合は、50%ブドウ糖液を20mlを静注します。15分くらい様子をみて、改善しないようだったら、さらに追加投与をします。入院していなければ、救急車を含めた医療機関受診の判断が重要です。
有名な話ですが、患者さんがα-グルコシダーゼ阻害薬を使っている場合は、ブドウ糖でないと効果がないので注意が必要です。
65歳未満では空腹時血糖値130mg/dl以上、食後血糖値が180mg/dl以上が糖尿病合併症予防のための目標値と言われています。血糖値が高くなると、過剰になった糖を尿と共に排泄しようとする体の働きが強くなります。その結果、脱水、頻尿、体重減少などの症状が見られます。さらに高くなると、糖尿病性ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群といった意識障害が現れます。
患者さん自身でできることとしては、高血糖時における医師の指示があればインスリンを打つこと、水分を取ることと、血糖値を測ることでしょうか。そして病院(救急を含めて)へ行くかの判断が重要となります。
医療機関では、インスリンの投与と補液を行います。この時にGI療法と同じ現象が起こるので、低カリウム血症に気を付けなければなりません。
緊急時以外の通常の薬については、糖尿病治療薬、インスリン製剤と内服薬でまとめています。