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日本では国民がそれぞれの社会的立場に応じて一定水準の医療を受けられる仕組みが整っていて、これを国民皆保険制度と言います。今回は薬剤師の立場として私自身の国民皆保険制度への考えについて書いておきます。
まず国民皆保険制度は発想自体は素晴らしい考えですが、毎年のように医療費が増えており、これから先も続くとは思えません。
例えるならば、石油などのエネルギー問題と同じです。埋蔵量が限られているのに、湯水の如く消費してしまっている状態です。このままでは、将来の子供たちがとてつもない負担を強いられることになってしまいます。
これは単純に高齢化社会だけで片付けられる問題では無く、私は薬の観点では以下の点で問題があると考えています
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まず患者が薬をもらい過ぎです。本当に必要な薬をもらっているでしょうか?
例えば糖尿病や高脂血症などの生活習慣病は食事や運動を頑張った上での導入が前提です。それなのにも関わらず、薬に頼りきってしまっている患者が一定数見受けられます。これではいつまでも予防医学が定着しません。
また何も考えもせず、「医師の処方通りで(先発で)」という人がいる。脳死で先発医薬品というのは違うのでは無いかと思います。
他にも残薬があるのにも関わらず、そのままもらっておくという患者もいます。時間が惜しいならば診察時に言うべきだし、医師に残薬があって言って欲しくないなら、しっかりと医師の処方通りの用法用量で使って欲しいところです。そして医師の指示通り使えないならば、薬剤師に相談して欲しいと思います。(このあたりは次の薬剤師側の問題でもあるのですが)
とりあえず、患者は何も考えず医師の処方通り薬をもらっておくという考えはやめて欲しいと思っています。
薬剤師も薬剤師で患者や医師の言われた通り出すという風潮があり、それが問題です。本来であれば不要な薬は減らしていかなければなりません。
この記事を書いている時点では、薬剤師は処方箋枚数をいかに稼ぐかが収益に直結させてしまっているところがあります。つまり、いかにタイパよく処方箋をさばくかというかが重要となってしまっているのが問題です。
具体的に言うと、残薬調整には疑義紹介が必要で多くの手間暇がかかります。PTPならまだしも、一包化の残薬調整ではその場で出来ないのが現状です。そうなると残薬調整せずにそのまま患者に薬を渡したり、残薬を破棄して患者に薬を渡してしまった方がタイパが良いとなってしまいます。
これはタイパよくさばくように誘導している会社、さらに会社をそのように誘導してしまっている調剤報酬の問題です。普通に考えてPTPの残薬調整と一包化の残薬調整が同じというのがあり得ません。
そして、患者の希望通りトラブル無く処方箋を大量にさばくのが良い薬剤師となってしまっている(良い子が偉い)となってしまっているのが問題です。
最後に医師も診察の時間無いのはわかっているが、よく確認もせずホイホイ薬を出してしまっているのが現状です。
残薬確認はともかくホイホイ処方の最たるものが、患者からお願いされた他の医療機関のもの(湿布やビタミン剤)などそのまま処方してしまうことです。湿布やビタミン剤ならまだしも、専門外の薬に対して責任が持てるのか?よく考えて欲しいです。
患者に「自分の思い通りの薬を出してくれる=いい医師」と思われてしまっているのが問題です。
このような形で三者三様で足を引っ張って薬を出しまくっている(もらいまくっている)というのは問題だと思います。
国民皆保険制度の問題点を色々述べてきましたが、つまるところ無駄遣いするなという一点につきます。
地球環境問題と同じく自分さえ良ければなんでも良いという考えでは確実に破綻します。
ほぼ痛みを伴わず保険(公費)だから、みんな無駄遣いするのです。無駄遣いを辞めさせるには自費が1番効果的であると思います。以上のことから薬剤師的な立場で以下の提案をします。
自己負担0円なら、いくらでも薬をもらっていいという感覚になってしまいます。何とは言いませんが、公費に頼りきっている人は負担をすべきだと思います。
0割が3割になるだけでも金銭的感覚がだいぶ違うと思います。
スーパーの半額シールですら凄いと思うのに、医療機関は常時バーゲンセールというのが異常だと認識する必要があります。
私個人としては、国民皆保険を廃止して全員原則自費と言いたいですが、せめて5割(痛み分け)するべきだと思います。それくらいの痛みを伴わなければ、誰も医療費節約することにやる気を出さないと思います。
先ほども述べたように、いくら説明してもジェネリック拒否して、先発を希望する人が一定数います。
自己負担が半分以下であり、ほとんど税金で薬をもらってるのに特別な理由無く先発でもらうのは自分さえ良ければの最たるものだと思います。
そこまで先発にこだわるならば、しっかり自分のお金で払えば私は先発医薬品を選んでも良いと思います。
零売は究極のセルフメディケーションと私は考えていて、薬剤師はそこに貢献できると思います。
患者のみでOTCを選ぶよりか、薬剤師も介入して零売を行うことでより薬を安全に使うことができると思います。そして医療費も抑えられるはずです
ただ国は零売を快く思っていないようで頭ごなしに規制をかけている状況に疑問を感じています。