ASTとALTの基準値、アセトアミノフェンには特に気を付けよう!

ASTとALTの基準値、アセトアミノフェンには特に気を付けよう!

ASTとALTはアミノ酸の代謝に関わっています。ASTは肝臓の他に、心臓や骨格筋にも含まれています。ALTは主に肝臓に含まれていて、肝障害を見ることが出来ます。代表的な薬にアセトアミノフェンがあり、頻度も高いため注意が必要です。

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ASTとALTの基準値、アセトアミノフェンには特に気を付けよう!

ASTは、aspartate aminotransferaseの略で、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼと訳されます。ALTはalanine aminotransferaseの略で、アラニンアミノトランスフェラーゼと訳されます。それぞれ、体内のアミノ酸代謝などに関わっていますが、検査値上の意味合いでは、主に肝細胞の障害の指標となります。

 

ASTは肝臓だけでなく、心臓や骨格筋などに存在し、ALTは主に肝臓に存在しています。

 

 

何かの原因によって、肝臓などに障害が起こり、破壊されると、ASTやALTが血液中に漏れ出てくるため異常な値が出てくるのです。基準値は書籍により色々異なりますが、私は面倒なので両方とも40U/L以下と覚えています。これも触れる機会が多いので、覚え方はありません。習うより慣れてください(笑)

 

 

AST、ALTが上昇する疾患の一例

  • 劇症肝炎
  • 急性肝炎
  • アルコール性肝炎
  • 心筋梗塞
  • 肝硬変
  • 慢性肝炎
  • 薬剤性肝障害

 

先ほどASTは心臓などにも含まれると、話をしたように、ALTよりASTが圧倒的に上がっている場合は肝臓ではなく心筋梗塞の可能性もあります。

 

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肝障害を起こしやすい薬の一例

すべての薬で起こりうる可能性がありますが、代表的なものに以下の薬があります。

 

 

特にアセトアミノフェンは現場での使用頻度が高く、見かけるケースがあるかと思います。私も病棟で、アセトアミノフェンを使っていて、肝機能が悪くなって先生に報告して中止になったこともあります。発熱や疼痛が我慢できるのであれば、飲まずに我慢してもらった方がいいですね。どうしてもって場合は他のNSAIDsに変えるなどですが、リスクが伴います。

 

結核薬も1度だけ経験したことがあり、ASTとALTが100U/Lくらいまでいった患者さんがいました。そのケースも先生の判断で、内服中止になりました。しかし、中止しても肝機能の回復が非常に悪く、ASTとALTがゆっくりにしか改善せず、70〜80U/Lくらいになったところで、たしか転院になったと思います。

 

薬によっては肝機能が悪いと禁忌にある薬もあるので、その点も踏まえて肝機能はチェックする癖をつけましょう。

 

まとめ

  • ASTとALTは肝細胞の障害を見ることが出来る。
  • ASTは肝臓の他に、心臓や骨格筋などにも含まれる。
  • ALTは主に肝臓に含まれる。
  • 特にアセトアミノフェンにおける肝障害は頻度も高いため注意する。

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