ケトン体と糖尿病性ケトアシドーシス

ケトン体と糖尿病性ケトアシドーシス

ケトン体は、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つの総称で酸性です。ケトン体は、飢餓状態や糖尿病などで糖がうまく利用されないと、増えてきます。特に糖尿病性ケトアシドーシスに関わります。

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ケトン体と糖尿病性ケトアシドーシス

ケトンとは、化学を勉強していると出てきますが、R-CO-R’という構造式を持ちます。今回のケトン体は、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンというの3つのケトンの総称です。もちろん、これら3つも同じようにケトンの構造をしています。アセト酢酸やβ-ヒドロキシ酪酸が特にわかりやすいですが、名前に「〜酸」とついているため、ケトン体が酸性であることがわかると思います。

 

 

そしてケトン体は、主に糖尿病のコントロールが不良になってくると、出てきます。では、なぜケトン体が出てくるのか?そのあたりのメカニズムを確認していきます。

 

ケトン体ができるまで

糖はみなさんご存知のように、私たちの重要なエネルギー源です。もし糖分が取れなくなってしまったら、どうなるでしょうか?わかりやすい例として、山にハイキングに行っていましたが、道に迷ってしまい、コンパスも壊れてしまい、遭難してしまったとしましょう。非常食も底をつき、食べるものがありません。このままでは死んでしまいます。

 

 

そこで、出てくるのが貯蔵脂肪です。普段皆さんが気にする脂肪ですが、こういう緊急時に役立ちます。肝臓において、脂肪からβ酸化と呼ばれる反応で、アセチルCoAと呼ばれるものを作りだします。

 

アセチルCoAは本来であれば、クエン酸回路(TCAサイクル)と呼ばれる回路を回すことに使われ、大きなエネルギーを得ることができます。しかし、クエン酸回路を回すにはアセチルCoAとオキサロ酢酸と呼ばれる2つの材料が必要です。もう一つの材料であるオキサロ酢酸は糖新生と呼ばれる別の糖を作る反応でどんどん使われてしまうため、少ない状態となってしまいます。

 

 

よって、もう片方のオキサロ酢酸が材料不足となり、クエン酸回路を回しにくい状態となってしまいます。オキサロ酢酸は不足していますが、アセチルCoAが過剰の状態となります。

 

この過剰となったアセチルCoAをもとにケトン体が作られていきます。作られたケトン体は脳などに運ばれてエネルギー源として使われます。

 

ケトン体の基準値

運動や脱水などで陽性となることもあるようですが、基本的には陰性(-)が基準値です。

 

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ケトン体が陽性となる可能性のある疾患の例

  • 糖尿病
  • クッシング症候群
  • 甲状腺機能亢進症

 

飢餓状態や、糖がうまく利用されないとケトン体が増えてきます。冒頭でも言ったように、ケトン体は酸性物質なので、糖尿病性ケトアシドーシスに注意が必要です。

 

ケトン体が偽陽性となる可能性のある薬

  • セフェム系抗生物質
  • 構造式にSH基をもつ薬
  • エパルレスタット
  • レボドパ

 

試験紙と化学反応を起こしてしまい、偽陽性が出てしまうようです。

 

まとめ

  • ケトン体はアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つの総称で酸性。
  • ケトン体は飢餓状態や糖尿病などで糖がうまく利用できないと増えてくる。

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