尿蛋白の基準値、腎臓との関係

尿蛋白の基準値、腎臓との関係

尿蛋白は腎臓や尿路系の障害に主に関わります。障害部位によって、腎前性、腎性、腎後性とわけられます。その他にも、妊娠によっても蛋白尿がでることがあるので注意が必要です。

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尿蛋白の基準値、腎臓との関係

尿蛋白は、文字通り尿中のタンパクを調べる検査になります。尿蛋白を調べると、何がわかるのでしょうか?

 

それは、主に腎臓や尿路系の障害です。

 

タンパク質とともに見ていきます。

 

腎臓とタンパク質

血液の中には、タンパク質が含まれています。タンパク質にも大きさがあり、アルブミンのような大きいものや、ベンズジョーンズ蛋白やβ2ミクログロブリンといった小さいものがあります。大きいものは、高分子蛋白、小さいものは低分子蛋白とも呼ばれます。

 

 

通常の健康な人であれば、高分子蛋白は、腎臓のフィルターである糸球体を通過できず、尿中には出てきません。それに対して、低分子蛋白はフィルターの網目をすり抜けることはできます。

 

 

すり抜けた低分子蛋白は、そのあとに待ち構えている尿細管で再吸収されて体内に戻されるので、これもほとんど尿中には出てきません。

 

もし、何らかの理由で糸球体が壊れてしまったらどうなるでしょうか?フィルターがなくなるので、タンパク質がすり抜け放題となってしまいます。尿細管も同様に壊れてしまったら、再吸収が行われず、すり抜け放題となってしまいます。

 

 

よって、尿蛋白を見ることによって、主に腎臓や尿路系の障害がわかるのです。

 

尿蛋白の原因として、腎臓を起点に大きく4つにわけられます。

 

  • 腎前性
  • 腎性
  • 腎後性
  • 妊娠に伴うもの

 

 

腎前性

腎臓より前、つまり上流の方に問題があります。腎臓より前の段階で障害が起こり、低分子蛋白が増えます。低分子蛋白が増えすぎて、尿細管で再吸収しきれなくなり、尿中に蛋白尿が漏れ出てきます。

 

腎前性の可能性のある主な疾患
  • 多発性骨髄腫
  • 溶血性貧血
  • 心不全

 

腎性

先ほども述べたように、腎臓の糸球体や尿細管などに問題があります。

 

腎性の可能性のある主な疾患
  • 腎炎
  • ネフローゼ症候群
  • アミロイド腎
  • カドミウム中毒

 

腎後性

腎臓より後、つまり下流の方に問題があります。腫瘍や炎症などによって、タンパクが出てきます。

 

腎後性の可能性のある主な疾患
  • 膀胱炎
  • 膀胱腫瘍
  • 尿路結石

 

妊娠に伴うもの

妊娠すると、腎血流量が増えて、糸球体のろ過が間に合わなくなり、蛋白尿が出やすくなります。特に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)には注意が必要です。

 

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定性検査と定量検査と基準値

尿蛋白の検査方法には2種類あり、定性検査と定量検査があります。

 

定性検査

定性検査はざっくりと言ってしまうと、検査対象があるか、ないかを調べる検査になります。尿蛋白の場合だと、タンパクがあるか、ないかを調べるいうことになります。

 

そのため、基準値は陰性(-)となります。

 

定性検査は簡便であるのがメリットになります。逆に、アルブミンに対する特異性が高く、他のタンパク質に反応しにくいのがデメリットとなります。

 

定量検査

定量検査もざっくりと言ってしまうと、検査対象の量を調べる検査になります。尿蛋白の場合だと、タンパク質がどれくらいあるのかを調べるということになります。

 

定量検査の基準値は、およそ100mg/dL以下と言われています。

 

定量検査のメリットデメリットは、先ほどの定性検査の逆になります。メリットはアルブミン以外のタンパク質を測れることです。デメリットは定性試験より時間などがかかってしまうことです。

 

尿蛋白で異常があると、尿沈渣の検査も見ることがあります。

 

まとめ

  • 尿蛋白は腎臓や尿路系の障害に主に関わる。

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