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シックデイとは?対応方法のまとめ
糖尿病患者からシックデイについて相談されたときに対応を間違えると命の危機に関わることもあります。今回はバイタルサインに関連するものとしてシックデイについてみていきたいと思います。
シックデイとは
シックデイとは次のような定義になっています。
- 糖尿病患者が治療中に発熱、下痢、嘔吐を起こしたり、食欲不振のために食事ができない
ここでポイントなのが、食事ができているかどうかです。なぜかというと、次のシックデイの機序によるためです。
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シックデイの機序
シックデイの機序を理解することで後ほどに出てくる対応の理解が深まります。
- 感染症などが起こると、炎症性のサイトカインが増えてインスリンの分泌が減る。
- インスリンの分泌が減ると、高血糖になり脱水が起こる。さらにインスリンの分泌が減ることによって、脂肪分解が進みケトン体が増える
一方で発熱、下痢、嘔吐、食欲不振などで食事や飲水ができないと脱水に拍車がかかります。さらには糖尿病薬を継続することで低血糖などのリスクが高まります。シックデイによって、以下のような症状が起こります
- 糖尿病ケトアシドーシス;インスリンの絶対的欠乏により起こるケトアシドーシス。1型糖尿病患者などでインスリンを急激に減量や中止することで起こりやすい。多くは数日以内に発症
- 高血糖高浸透圧症候群;インスリンの相対的欠乏により脱水などが起こる。2型糖尿病患者などで感染症、高カロリー輸液、利尿剤、ステロイド、抗精神病薬(オランザピンやクエチアピンなど)などにより起こりやすい。多くは数日〜週単位と緩徐
その他にも薬の副作用インスリンやSU薬などによる低血糖、メトホルミンによる乳酸アシドーシス、SGLT2阻害薬によるケトアシドーシスなどが起こる可能性があるため注意が必要です。
シックデイルール
先ほどのシックデイの機序より以下のシックデイルールとなります。
- 原則、基礎インスリンは中止しない;糖尿病ケトアシドーシスはインスリンの絶対的不足で起こるため基礎インスリンを中止すると悪化させる
- メトホルミン、SGLT2阻害薬は中止;先ほどの機序より、乳酸アシドーシスやケトアシドーシスなどが起こるため
- 追加インスリン、SU薬、即効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)は食事量によって調節;医師の指示を確認
特に1番と2番は重要であり、3番については医師からどういう指示が出ているのか確認したり連携をとることが重要です。
シックデイ相談時の対応
シックデイを患者から相談されたときに以下のように対応するとよいでしょう。
- 受診の必要性を判断
- 食事、水分摂取、シックデイルールの指導
- 医師への連絡、相談
受診の必要性を判断
以下の場合は速やかに受診を促します。
- 発熱、消化器症状が強い時
- 24時間にわたり経口摂取ができない時や極端に少ない時
- 血糖350mg/dL以上の持続
- 意識状態の悪化が見られるとき
食事、水分摂取、シックデイルールの指導
ケトン体を増やさないように最低限の糖質接種や脱水を改善するための十分な水分摂取を促すことが重要です。
- 食事;おかゆ、うどん、果物、スープなど食べやすくて消化によいものを摂取させる
- 水分;1〜1.5L/日を摂取させる。スポーツドリンクを含めて糖質を含んだ清涼飲料水は避ける(シックデイでは高血糖を悪化させるため)。ただし全く食欲がなければ糖質を含む飲料を摂取させる
食事や水分の指導ができたら、薬についても先ほどのシックデイルールに基づいて指導を行います。
医師への連絡、相談
先ほどまでの判断や指導ができて終わりとしたいとことですが、医師へのフィードバックも必要でしょう。以下のことなどを報告しましょう。
- バイタルサイン;体温、意識レベルはマスト。その他血圧や脈拍、血糖値など測定できるならばあった方が良い
- 水分、食事摂取状況、シックデイルールの指導内容;どのような指導したのかなど
医師や患者とうまく連携をとりシックデイ時に適切な対応ができるようになりましょう。
まとめ
- シックデイ時には、受診の必要性、食事水分シックデイルールに基づいた薬の指導、医師への連絡や相談の順番で対応する
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