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血圧は、もはや医療人でなくても当たり前のように使われている単語ですね。
健康番組で「血圧を下げるためには、○○がいい」と言うと、次の日スーパーから、血圧にいいものが消えるという現象が起こるくらい、身近なものとなっています。
血圧とはいったいなんなのでしょうか?
心臓が、体中に血液をまわすために力強く血液を押し出しています。血液はもちろん血管の中を通りますので、血管に圧力がかかります。これが血圧となります。
よくわからない人は、水道の蛇口にホースをつけた場面をイメージしてください。
水道の蛇口が心臓、ホースが血管となります。
水を流す前にホースを押すと、ふにゃふにゃしていると思います。次に蛇口を全開に緩めた状態で、ホースを押すと硬くなっていると思います。
この水を流すことによって出来るホースを押す力が血圧のイメージになります。もちろん、心臓は蛇口のように常に全開で血液を流すことが出来ません。流したり休んだりを繰り返します。
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血圧のイメージをつかんだところで、血液の流れを見てみましょう。血液は以下のように循環しています。
心臓→大動脈→細動脈→毛細血管→静脈→心臓
心臓が収縮して血液を押し出し、血管を外に押します。このときに発生する血圧を収縮期血圧といいます。いわゆる上の血圧ってやつです。
心臓はいつまでも収縮することができず、拡張してもとの大きさに戻ります。この時に上の収縮期で外に押された血管も元の大きさに戻ろうとします。この血管がもとに戻ろうとする力が働くため、心臓が休んでいる間も血流が途切れません。心臓が拡張してもとに戻っている間の血圧を拡張期血圧といいます。いわゆる下の血圧ってやつです。
血圧は様々な要因により変化します。
そのため、起床後1時間以内と、寝る前の1日2回測定することで変化を記録することが重要になります。家庭での血圧の記録を医療者が把握することで、白衣高血圧や仮面高血圧なども把握しやすくなります。
一般的に、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上もしくは、拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上のときに高血圧と言われます。
なかでも、収縮期血圧が180mmHg、拡張期血圧が120mmHgを超えると、脳、心臓、腎臓などに障害が出ることがあります。この状態は高血圧緊急症と呼ばれ、注射薬で速やかな降圧が必要となります。
収縮期血圧が180mmHg、拡張期血圧が120mmHgを超えても、臓器障害が起こらなければ、高血圧切迫症と呼ばれ、内服薬で降圧が可能です。
以上からもわかるように、血圧では180/120mmHgが一つの壁になると言えるでしょう。
薬については、別ページ、緊急時の降圧薬の違い、ペルジピン、ミリスロールで簡単ではありますが、まとめています。
緊急時以外の薬は、高血圧治療薬、まとめと覚え方でまとめています。
一般的に血圧は下げましょうと言われている世の中。なんでもかんでも血圧を下げれば良いというわけではない例を話します。それが、脳梗塞です。
脳梗塞では、詰まった場所以外にも、まだ回復可能な場所が残っています。血圧を下げると、血流も低下します。血流が低下すると、回復可能な場所への血流が低下してしまい、病巣を広げてしまう可能性があります。よって、収縮期血圧は190mmHgくらいを目標に治療が行われます。
一般的に、収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下のときに、低血圧と言われます。主に以下の3つに分類されます。
ショックは、多臓器不全を伴う循環不全のことを指します。患者の命に関わる緊急事態と思ってもらって問題ないです。
ショックの診断の1つに、収縮期血圧が90mmHg以下があるので、低血圧について収縮期血圧が90mmHg以下が壁となるでしょう。
ショックは緊急事態となるので、なるべく早く血圧を知りたい状況となります。血圧計などを使って正確に出すことも重要ですが、緊急時の対応として、以下のことを知っておくと便利です。
よって、ショックの時は、橈骨動脈が触れるかどうかが診断のヒントとなります。
こちらも薬に関しては、別ページ、緊急時の昇圧剤の違い、イノバン、ドブトレックス、ノルアドレナリン、アドレナリンで簡単ではありますがまとめています。