

Sponsored Link
呼吸によって取り込まれた酸素は、体内のヘモグロビンにくっついて、全身に運ばれます。酸素飽和度とは、ヘモグロビンに対して、酸素がくっついている割合を示したものです。
なんとなくイメージがわきにくいかもしれないので、ヘモグロビンを100人乗りの大きな船、酸素を船の乗客と考えてみてください。酸素飽和度はお客さんがどれくらい乗船しているかということになります。

ちなみに酸素飽和度は、パルスオキシメーターと呼ばれる機械で測定されます。洗濯ばさみのような構造をしており、手足の指や耳たぶなどに挟んで測定します。通常よほどのことがない限りは、手の指で測定されると思います。

酸素飽和度が、ヘモグロビンと酸素のくっついている割合というのは、なんとなくイメージがついたと思います。ここで酸素飽和度を考える上で、もう一つキーワードがあります。それが酸素分圧です。酸素分圧(単位はmmHg)を横軸、酸素飽和度(単位は%)を縦軸としたときに、S字状のグラフが描かれます。これを酸素解離曲線と呼びます

酸素分圧とはその名の通り、酸素の圧力のことになってしまうのですが、よくわからないと思うので、先ほどの例に例えると、船に乗せる旅行代理店のような感じです。旅行代理店が頑張って宣伝をすると、それに反応して船の乗客は船に乗ろうとします。しかし船は100人乗りという定員が決まってしまっているので、旅行代理店がいくら乗客を乗せようと頑張っても、乗ることのできる人は100人が限界です。100人で満員の状態が酸素飽和度100%となります。

よっていくら酸素分圧を上げまくったとしても、酸素飽和度は100%が限界となります。これをグラフにするとS字状で、100%で頭打ちのグラフとなるのです。
S字状の酸素解離曲線ですが、酸素分圧約60mmHgの時が、酸素飽和度約90%に相当します。この状態を下回ると、各臓器が酸素不足となり障害される可能性が高まります。よって酸素飽和度は90%を下回っていると緊急事態ということを把握しておきましょう。
Sponsored Link
Sponsored Link
先ほどの酸素解離曲線に出てきた酸素分圧(PaO2)ですが、正常値は85〜100mmHgであり、酸素分圧(PaO2)がだいたい60mmHg以下になると酸素療法が始まります。
この時に使われる器材には、鼻カニューラ、酸素マスク、リザーバー付き酸素マスク、ベンチュリーマスク(インスピロン)などがあります。カルテを読んでいると、「鼻カニューラより酸素開始」とか、「マスクを嫌がり取り外そうとする」などの記載を目にするかと思います。また病棟に行ったときに、これらの器材をつけている方もいるので驚かず、酸素を投与しているんだと思えるようになりましょう。
最初に式を述べます。
酸素化係数(P/F比)=酸素分圧(PaO2)/吸入酸素濃度(FiO2)
吸入酸素濃度(FiO2)は、酸素を投与した際の濃度のことで、それぞれの器材で対応する値が決められており、早見表などからわかります。例えば、鼻カニューラの酸素流量が1(L/分)だとすると、それに対応する吸入酸素濃度(FiO2)は24%となります。
さて話を式に戻します。この式を見ても???という感じだと思うので、実際の例を見てみると使い方が見えてくるかと思います。
リザーバー付き酸素マスクを使用中の患者さんで、
どちらがよいか?
まず早見表をもとに、酸素流量から吸入酸素濃度(FiO2)を求めます。リザーバー付き酸素マスクは、計算しやすく酸素流量を10倍すれば、吸入酸素濃度が求められます。
次に酸素化係数(P/F比)を求めます。吸入酸素濃度の単位は%なので、注意。
後者の方が酸素分圧が120と高かったのですが、酸素化係数(P/F比)を求めると150と低くなってしまいました。それに対して前者は酸素分圧が100と低かったですが、酸素化係数は150となりました。つまり前者の方が、無駄な酸素を投与することなく効率的に酸素化が出来ているということがわかります。
わかりやすくするために極端な例題となってしまいましたが、酸素化係数(P/F比)はこのように酸素投与の場面で活躍できます。酸素化係数(P/F比)が300以下では酸素が必要で、200以下では重症と言われています。人工呼吸を離脱できる条件の1つにも酸素可能(P/F比)が200以上というのがあげられています。もちろん、状況判断して医師が酸素投与の指示をしますので、これだけがすべてではないです。
パルスオキシメーターが酸素飽和度を測定できるメカニズムとして、おおざっぱに動脈拍動と動脈血の赤色具合を読み取ることがあげられます。よって、外部光があったり、測定部位にネイルやマニキュアあったり、測定時の体動などがあったりすると、正しく測定できない可能性があります。そのため異常値のように思えたら、別の部位などで再測定などをするとよいでしょう。

測定的な誤差の他、酸素飽和度が低下する原因には以下のようなものがあります。