尿量や尿色は主に腎臓の影響を受け減少や増加をする。

Sponsored Link

尿量の基本、減少と増加の原因と尿色

私たちは、水分を口にします。口などから摂取できないようだったら、輸液などから水分をとっています。とった水分は尿として出たり、不感蒸泄として体内から出ていきます。輸液や不感蒸泄の話は、別ページ、輸液は何の目的でするのか輸液量は3つの要因で決まる、などでも話しているので参照してください。

 

要するに、不感蒸泄で出ていく水分もありますが、尿量が水分の排泄で多くを占めるので重要なポジションになっています。

 

 

通常尿量は1日1500ml前後は出ていて、1日400ml以下を乏尿1日100ml以下を無尿の状態と呼びます。逆に1日に3000ml以上であれば多尿と呼ばれます。尿量は主に利尿剤を使っているときなどの効果の評価に関わってきます。利尿剤で有名なものにラシックス(フロセミド)などがありますね。点滴でも内服でも使っている施設は多いと思います。

 

Sponsored Link

Sponsored Link


 

尿量減少の原因

尿量が減ってしまう原因はなんでしょうか?まず尿と言われて思いつくのが腎臓ではないかと思います。尿量は腎機能に影響を受けることはもちろんですが、体内の循環が悪くても影響を受けてしまいます。原因として以下のものがあります。

 

 

  • 腎前性腎不全;腎臓の前の血流が悪くなることによる。脱水、出血、敗血症、心不全、肝不全など
  • 腎性腎不全;腎臓自体が壊れてしまっている。腎炎、高血圧、薬剤性の腎障害など
  • 腎後性腎不全;腎臓の後の臓器(尿管、膀胱、尿道、前立腺など)に原因がある。尿管結石、膀胱腫瘍、前立腺肥大など
  • 術後におけるサードスペースへの移行;手術における輸液、サードスペースとは?を参照

 

1日の尿量が400ml以下だと、老廃物などが排泄できない状態となるので危険な状態となります。

 

尿量増加の原因

尿量が増える原因も、腎臓関係が多いですが、有名なものとして尿崩症があげられます。

 

  • 尿細管間質障害;尿細管における再吸収がうまく行えず、多尿となる。
  • 尿崩症;下垂体後葉からのバソプレシンの分泌低下による中枢性尿崩症、バソプレシンは出ているけれども効き目が悪い腎性尿崩症など。
  • 糖尿病;余分な血糖を尿と一緒に排泄しようとする。

 

尿色

尿量だけでなく、尿色からも、様々な情報が得られます。

 

  • 無色;尿崩症、糖尿病など
  • 白濁;尿路感染症など
  • 黄褐色;脱水、肝臓疾患、胆のう疾患など
  • 赤褐色;血尿、ミオグロビン尿、ポルフィリン尿など

 

 

まとめ

  • 尿量は1日1500ml前後は出ていて、400ml以下を乏尿、100ml以下を無尿、3000ml以上だと多尿と呼ぶ。
  • 尿量が減少する原因としては、腎前性、腎性、腎後性、サードスペースへの移行などがある。
  • 尿量が増加する原因としては、尿細管間質障害、尿崩症、糖尿病などがある。

就職や転職でお悩みの方はコチラ!私はここで年収120万円上がりました

Sponsored Link

尿量の基本、減少と増加の原因と尿色 関連ページ

バイタルサインは8つの項目をみよう
バイタルサインは患者が生きている証です。現代の薬剤師にもバイタルサインを読む力は求められ、薬の効果や副作用により深く関われます。意識、呼吸、血圧、脈拍、体温、酸素飽和度、血糖値、尿量の項目から成り立ちます。
血圧の基本、高血圧と低血圧
血圧とは、血管にかかる圧力のことです。高血圧の緊急事態の指標として、180/120mmHg以上があります。また、低血圧の緊急事態の指標としては、収縮期血圧が90mmHg以下があります。
脈拍の基本、頻脈と徐脈
脈拍は心臓の拍動を体表面の動脈でふれるものです。心臓にある洞結節が主に脈拍の調整をしています。頻脈の緊急事態の指標は140回/分以上のときで、徐脈の緊急事態の指標は40回/分未満のときです。
体温の基本、発熱と解熱
体温は、年齢、時間帯、運動、食事、性などの影響を受け個人差があります。発熱が始まると、悪寒や鳥肌が起こります。ピークでは熱感や皮膚が紅潮します。解熱に向かうと、皮膚の紅潮や発汗が見られます。
呼吸の基本、呼吸数と呼吸音
呼吸は延髄の呼吸中枢によって調整されています。呼吸数が30回/分以上や10回/分以下では緊急事態となります。また副雑音のラ音は、笛声音、いびき音、捻髪音、水泡音の4つがある。
意識の基本、意識障害の原因と評価
意識障害があると危険な状況が多いです。意識障害の評価方法として、JCSやGCSがあります。また原因をみつける方法として、アイウエオチップスがあります。意識障害や麻痺の評価は最後に行われ、まずは生命維持の対応をします。
酸素飽和度の基本、酸素分圧との関係
酸素飽和度はヘモグロビンと酸素がくっついている割合を示します。酸素飽和度が90%を下回ると、臓器障害が起こる可能性が高まります。酸素飽和度が低下する原因には、ショックや不整脈、貧血などがあります。
血糖値の基本、低血糖と高血糖
ブドウ糖は、肝臓でグリコーゲンとして貯蔵され、筋肉では主にエネルギー源として使われます。低血糖も高血糖も意識障害が起こる前に対処することが、患者さんを守るうえで重要となります。
アレルギーとアナフィラキシー、原因と症状と対策
アレルギーを起こすと、様々な症状などを起こし、時にアナフィラキシーショックと呼ばれる生命の危機を起こす可能性があります。原因となるアレルゲンを摂取しないように気を付け、正しい対策をする必要があります。
災害現場とトリアージ、START(スタート)法とは
災害現場では、トリアージが行われ患者の選別が行われます。行われた証として患者にトリアージ・タッグが巻き付けられ、色によって優先順位が記されます。トリアージを行う方法の1つにSTART(スタート)法があります。
視診、触診、打診の基本、薬剤師でも異常に気付けることはある。
視診や触診や打診は、医師や看護師が基本的には行います。しかし薬剤師も視診や触診や打診の基本的なことを知っておけば、チーム医療に参加することができます。また服薬指導時に異常に気付くことができます。

 
HOME プロフィール お問い合わせ